今、4コマ漫画で座敷童が密かなブーム…なのか!! きららの異色核弾頭『うちのざしきわらしが』

夏休みまであと2週間…。あと2週間…。あと2週間…。パトラッシュ、もうゴールしてもいいよね…。「いや、お前はパトラッシュとどこにゴールするつもりだ!!」と、いう感じです。あ、明日クーラーが来ます。やったー。と、いうわけで(いつもながらどういうわけだ)今回はきららでも異色を誇る『うちのざしきわらし』をご紹介。

一人暮らしの大学生・学の元に、ある日祖母から送られてきた荷物。その中に入っていたのは座敷童・わらだった。平凡だった学の日常は一転? アパートの敷地内で繰り広げられるホームコメディ。

同作者さんの『はとがいる』はシュールレアリズム。つーか、ホラー。


今、座敷童が熱い。
以前4コマ好きの方と話していたところ「今のブームは座敷童だよね。」という話になりました。森ゆきなつ『いんどあHappy』、小坂俊史遠野物語』『オフィスのざしきわらしくろがねぎん『ざっちゃん』、荒井チェリーワンダフルデイズ』etc…4コマ誌には「座敷童枠があるのか!?」というぐらいに座敷童が登場する作品が多いです。
でも意外なことに「可愛い座敷童と同居だー! ウヒョー!」という病気な発想の漫画は少なかったりします。そもそも童だってことに気付けよ管理人というわけで。「いや、むしろわらしだからいいんじゃないいか!!」という病気な人はおいといて。私とか。藤子不二雄的な異文化参入漫画の一種として座敷童はスタンダードなのかもしれません。よって、これからも座敷童漫画は増えるかもしれませんね。座敷童アンソロジーとか出ますよ、プロデューサーさん!!


なんだこの場違い感…。そして安心感は…。
萌えの総本山的立場であるまんがタイムきららで連載されていながらあまりにもきららに存在する漫画としては異色すぎて「な…何だ!?この漫画は…!?」「ホ…ホントだ…、す…凄いけど懐かしい気……!!」という読んでいる人を混乱させる明らかに場違いなオーラを放っているこの作品。台詞部分はドラゴンボールの引用という場違い
絵柄からも想像できると思いますが、残念なことにきららでは当然のようにある美少女が出てきて女の子とキャッキャウフフするとか、お色気シーンでラブラブチュッチュ、さりげなくおっぱいでヒャッホーイ!!とか当然ながら皆無です。逆にこの漫画にそんな描写があっても困るけど。という領域。
「じゃあ、何故きららにこんな漫画が…」と思いますが、思い返すときらら系列では、かつて『ひよぴよえにっき。』という小学生と幼児のほんわかした日常を描いた4コマがありました。この漫画も「幼稚な子供の可愛さ」を描いた漫画と考えれば、『ひよぴよえにっき。』とか別雑誌ですが『ぽてまよ』等と同様なんですね美少女系の可愛い絵柄ではないだけで。きららで美少女じゃないとか自殺行為というつっこみはなしで。
「きららには大沖さんがいるじゃないか。あれも美少女が出てきて女の子とキャッキャウフフするとか、お色気シーンでラブラブチュッチュ、さりげなくおっぱいでヒャッホーイ!!とかないじゃん。」と思われる方もいるかもしれませんが、ほらあれは制服だし女子高生だし美少女じゃないですか。美少女じゃないですか。大事なことだから2度言いました。

この漫画は座敷童の成長漫画として読むのがベストなのではないでしょうか。「まったく成長していない…」と安西先生が嘆くこと満載ですけど。


ま、戯言は置いておくとして「この漫画、とにかくおもしれぇ。」というのが私の印象。とにかくざしきわらしのわらがアホすぎる。萌えじゃなくて幼児的な可愛さ。「おいおい、おまえはどこのギャグ漫画の主人公だ。」ってぐらいにアホ。することもお菓子を食い散らかしたり、隠してある大福を食べたりするだけでどこが座敷童やねん。というつっこみしかない罠。主人公からはただのたちの悪いざしきわらし、たちわるしとか呼ばれますし。

あまりのだめっぷりに、主人公からざしきわらしの「ざ」を奪われる話とか面白すぎて面白すぎて。「ざを取られるとか意味わかんねーよ!!」とか思うかもしれないですが「事実だしっ!」というわけで始末に困る。このような藤子不二雄的な「異文化が日常に入ってくる」という話は周りがどう扱うかが重要だと思うんですけど、主人公は無個性ながら座敷童の扱いが上手すぎて素敵すぎる。どんな主人公かというとこんな主人公です。

お昼のそーめんが飽きたという座敷童に主人公は「流しそーめん」を提案します。
「昔の人は悪さをした輩をそーめんを入れた桶に乗せて海に流したという…」

「普通のそーめんでいいのじゃ…」と答えるわらちゃん…。

こんな主人公です。完全に鬼畜ですありがとうございます。あと、わらちゃんを箱に積めてガムテープで貼ったりするよ!!


UMAさん超可愛い。
ざしきわらしのアホっぷりがすさまじい漫画だったり、主人公が一番の萌えキャラだったりと好き勝手言ってますが、この漫画の見所は主人公の大学の後輩であるUMAさんがすげー可愛いことでしょう。例によってこの主人公MMK(モテモテ困っちゃう)なわけで、UMAさんにも好意を持たれています。他にも主人公との明るい家族計画を作っている小学生にも好意を持たれているわけですが。

おい、小学生に好意を持たれてるってなんだ、コラ。池田さんもお怒りだぞ。


…この夕美さんは不思議ちゃんでなすことなすこと不思議なシュールワールドに読者と周りを巻き込んでいくわけですが、感情を出さないで時々主人公に迫ってくるからたまりません。さりげなく同棲を提案したり、レパートリーが増えたら家に料理を作りにきていいかって聞いて、「頑張ります。」って心の中で思ったり…。夕美さんマジ可愛い。普段無表情でなにを考えているかわからないだけに、なんかキュンとくるんですよね…。そのうち学との恋愛フラグエピソードとかあるのかしら。なさそう。


単なる不条理ギャグ漫画と思いきやこういう、ちょっとキュンとくるようなラブ話を入れてくるから困るんですよね。可愛いじゃないかっ!! どうしても「不条理」と聞くと、敬遠する方もいるかもしれませんが、嫌な感じがしないギャグ4コマですので万人にお勧めできます。「萌え漫画とか苦手なんですよねぇ…」とかいう方には特にお薦めです。