ファンタジー一つくださいな! 妖精が織りなすファンタジー4コマ『アンネッタの散歩道 / 清瀬赤目』

アイルランドの小さな妖精・メイヴはひょんなことから、 文通相手の人間の女の子・アンネッタに会うため、 都・ダブリンへ向かうことに。 妖精と人間が織りなす、少し不思議で、 ドキドキワクワクに溢れた珍道中♪ 新鋭・清瀬赤目が贈るアイリッシュ・ファンタジー、ここに開幕!!

久々に「好きだなぁ!」と思えるファンタジー4コマに出会えました。
それぐらいには好きな作品。


個人的に「ギャグのない4コマなんていらない!」と思うぐらい、私がコメディ作品が好きです。コメディ要素のない作品は読んでて辛い。でも、この作品はファンタジーファンタジーして、妖精の世界観をしっかり作りながらも無理なくコメディ要素を入れている作風が非常に面白い作品です。
世界観なんてしっかりしてて当たり前、と思いがちですが4コマの世界観って基本ざっくりしてるものが多い。学校ものでもファンタジーものでも設定が曖昧になりがちな作品も結構あるんで。逆に設定ばっかり詰め込んでて「で、結局なんやねん」的な読みづらい作品もありますが。
ラク系に限らずファンタジー要素があるきらら作品は大体がファンタジーをしているとコメディ要素がおざなりでファンタジーファンタジーしすぎてるか、きららにありがちな甘くてふわふわしてるだけの作品も目立ちます。そういう作品ってはっきりいえば4コマである必要ないからストーリー漫画で書きゃいいんだよ!って思ってしまう。
だから、こういうファンタジーファンタジーしつつも4コマとして面白い作品があるってのは嬉しいこと。ミラク含めきららはファンタジー作品を排出してますけど『棺担ぎのクロ』『セカイ魔王』のような「ファンタジーとコメディ」を両立している作品は凄い少ない(と、私は思ってる)だから、嬉しい。


設定もストーリーもベタといえばベタなんですけど。ちゃんと作りこまれてて面白い。きららの作品って私のイメージだと萌えの裏に性的要素が見え隠れしてるんだけど、この作品にはそれが全くない。その安心感ある作風はある種の及第点で、ここから「期待以上のなにか」が出てくるかに期待したいのですが。この作品の根底には「妖精と人間」という関係があります。きっと妖精のメイヴと人間のアンネッタが出会う日が来るでしょう。
そこから、何が生まれるのか。何も生まれないのか。多分、きらら作品だと出会うとしても出会わないとしても「想像以上」の展開が生まれる可能性は低い。でも、この展開に私は期待したい。そして、想像以上の結末や展開が待っていた時はこの作品を名作と呼びたいと思います。



作品の最後は主人公とアンネッタのやり取りで締められることも多いです。この構成は読んでいて妖精のメイヴと人間のアンリネッタの交流が感じられます。妖精の行動が不思議と手紙だと疑問に思わない形になっているのも不思議と面白いですね。



黒ロンの妖精も出てきます。メインの妖精以外にもサブキャラがゲストとして登場して、印象を残していく展開はガンバの冒険やミツバチハッチ等、昔の放浪系のアニメを彷彿させます。その展開が新たなやり取りを生んで飽きさせない部分もあります。


最近はあんまり文章を書く湧き上がるものがなくて休み気味ですが、今はそういう周期だと思うのでゆっくりリハビリしていきたいと思います。まぁ、長い目で宜しくお願いします。