私の4コマオブザイヤー2010

私のエントリー作品について今回は書きたいと思います。エントリー作品条件のおさらいから。

・2010年に発売された作品、3作品
・2010年に最終巻が発売された作品を1作品〜3作品


【新刊本部門】

くすりのマジョラム (1) (まんがタイムKRコミックス)

くすりのマジョラム (1) (まんがタイムKRコミックス)

鈴城芹の新連載として登場した『くすりのマジョラム鈴城芹らしい手のこんだ捻くれさもありつつ、普遍性を残した素敵な4コマになっています。薬学的、魔女学が上手く作品内に生かされていて、4コマ漫画としては非常に高い密度のある構成となっていました。鈴城芹さん特有の読み応えがあります。
もう一つの素晴らしい点としては主人公であるラムもそうですが、周りの小学生がかわゆいことかわゆいこと。その、鈴城芹さんが書く小学生加減が上手すぎるんですよ。他の漫画家さんと違って女子、男子小学生感が凄い自然。ランドセルなんかなくたって表現できる小学生感。
無論、主人公であるロリババアラムも素敵すぎます。大人なんだけど、子供っぽい可愛さがあるんですよね。その精神的に成熟している部分と小学生にドキッとしたりする部分が垣間見える可愛いッ分、そのギャップが凄い素敵です。鈴城作品で一番好きかもしれない。…あと生えてないという部分も素晴らしい(最低)
鈴城芹さんの作品が元々好きなこともありますが、今作品は4コマ漫画で重要なキャラクター、舞台設定、そしてギャグ。その全てが極上の融合をされた今年で文句なしのベスト作品。大好きです。
ふぃっとねす (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ふぃっとねす (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

この前ストロマ先生特集をしているので短めに。私は真冬さんが大好きなんです。作品全体を楽しくしてくれる。発売されたのが新しいから同作者である『スターマイン』ではないだけかもしれないですけど、愛せるヒロインを選ぶという意味でも。勿論、作品全体が大好きですよ?
わさんぼん 1 (まんがタイムコミックス)

わさんぼん 1 (まんがタイムコミックス)

『天使のお仕事』以上に、佐藤両々先生特有の濃さや毒が抜けていて読みやすく暖かい作品。和菓子屋で修行する主人公と和菓子屋のヒロインの娘さんの物語で「いいぞ、これNHKの朝ドラの原作になるぞー!!」という程出来の良い作品です。これも佐藤両々先生の写実的でリアルなタッチと和菓子屋への取材をしっかりしていることで読む側に説得力を与えているからではないでしょうか。
キャラクターも主人公のやるときはやる的キャラクターをはじめみんな愛すべきキャラクターです。全体的にベタではあるんですけど佐藤両々先生のギャグが中和してくれるんですよね。「灯台モトクロス!!」とか両々ギャグ大好き!! これだけちゃんとストーリー4コマしてる漫画はありません。もっと読まれるべき。


【最終巻部門】

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

これも特集で書いたので短めに。『けいおん!』はメジャー化したことが作品に悪い影響を与えず、大団円を迎えられた名作だと私は思っています。アニメとは違うけど、漫画は漫画でなかなか名作ですよ。音楽4コマというジャンルを切り開いたのは偉い!
ふおんコネクト! (4) (まんがタイムKRコミックス)

ふおんコネクト! (4) (まんがタイムKRコミックス)

これも特集で書いたので短めに。ざら先生のプログラムした超高密度4コマは元ネタという武器を使いつつ、交流という朴念仁完璧超人の高校生という物語を描ききった。間違いなく、物語として素晴らしかった。考察記事として書いたように、ふおんの物語が描かれなかったのは不満だったが、大好きな作品でした。お疲れ様ですざら先生。
ラジオでGO! (3) (まんがタイムKRコミックス)

ラジオでGO! (3) (まんがタイムKRコミックス)

最終回は白玉さんの夢物語として消化されてしまい少し不満でした(その前のスポンサー降板を打ち切りの理由にするならともかく…)が、ラジオ業界4コマという形を見せつつ、主人公以外の恋愛4コマとしても素晴らしかった。さわちーを中心に動くキャラクター達はどれも魅力的でコメディ4コマとして名作でした。
きらら作品にしては珍しく「大人」を描いた4コマで、他にはないキャラクター像を昇華していました。それでありつつ、可愛らしい萌え4コマとして成立していたのだからなぐも先生の腕に脱帽します。最後の恋愛展開は急展開だった気もしますが、全3巻で描かれたラジGOの世界は最高だった、と言わざるをえないでしょう。