音楽148 『年末アルバムレビューシリーズ 奥田民生/LION』

LION
今年聞いたアルバムをレビューしていきます。
今年の私的NO.1のアルバムです。前作の『E』に比べるとなにより詩が素晴らしいと思います。
『哀愁の金曜日』のような遊び心が詰まった曲もいいですがね。今回は『歯』以外は遊び曲なしかな。
このアルバムはなにより曲の順番が素晴らしい。息をつかせない構成でつい何回も聞いてしまう…。


まず「ライオンはトラより美しい」 はじまりから邦楽とは思えない音ですね。チャーリーの力が如何なく発揮されてます。
奥田民生的な歌詞が満載。「金色の鬣でガオー」長渕の「金色のライオン」とは同じテーマでも感性が違うのが分かります。
「アーリーサマー」まで聞いて思うのは民生も年をとったと思う。でも年をとったからこそ書ける歌詞だと思う。
このシングル曲二つも歌詞が若いけど若造じゃ書けないだろう。「線路は続かない」も年をとったからこそ書けるものだと思う。


そして「サプリメン」「プライマル」「サウンド・オブ・ミュージック」ハイテンションナンバー。
チャーリーの力も融合されて今までの民生にないパワーと勢いが出てる! 素敵だ!! ライブでやられたら楽しいだろうなぁ。
私の一番好きな曲は「サプリメン」ですかね。「哀愁の金曜日」と同じタイプだけど歌詞があれよりいい感じ。
…いや、哀愁の金曜日も普通に好きですよ。



「フェスティバル」「コアラの街」はユニコーン的ですよね。まったりしたいい曲。
この曲にかかわらず民生のサウンドはだんだんシンプルで無駄なものをはぎ落としてる感じです。
それだからこそシンプルで吉田拓郎風味な「青春」という曲が誕生したんだと思う。「イージュー」とは違う青春。
このアルバムも民生の「青春」の塊だと思う。たとえ40歳近くなっても青春。なんとも素敵な話ですね。