君が好きだと叫びたい! アニマルショート『いとしのムーコ』

コミティアお疲れ様でした。私は参加できませんでしたが、本も好評だったようです。私と4コマを語りたい方、本の感想なんかはTwiiterにメッセージでもください。私もメールを書くのが無精でまだ本を送ってもらっていませんが、そろそろ本を送ってくださいメールをするつもりです。来月のスケジュールが確定したら送るつもり、という私信。
つーわけで。今回は予定を変更して、ただ好きな漫画をシンプルに語りたいと思います。

吹きガラス職人こまつさんと愛犬ムーコのラブリーでランデブーな日々、はじまる。

今回はみずしな孝之いとしのムーコ』特集。しなっちは取り上げることはありませんでしたが、私の4コマ好きの原点です。今まで書いてなかったかもしれませんが、私は『いい電子』をきっかけに『幕

張サボテンキャンパス』を読み、4コマの世界に足を踏み入れたので。懐かしい話ですね。映画になるね。
いとしのムーコ』はイブニングでの連載開始以前に元々森井ケンシロウさんの発案同人誌である『まんがぶらふオリジナル』(2010年の夏コミで発行)に掲載された作品です。その頃もムーコの鼻の下にポツポツがある、コマツさんがスタイリッシュではない等を除けば連載版とあまり変化はありません。設定に関しては全く同じです。

肝心のムーコがディフォルメがイマイチであんまり可愛くない、コマツさんがあまりいい男じゃないとかは作品として致命傷ですけど。上記がどこか可愛くないムーコ、スタイリッシュじゃないコマツさん。内容を連載時に焼き直しをしてますけど、その要素が改善されてるほうが全然面白いのです。ムーコ可愛いよムーコ。いとしのムーコ


シンプルに語ろう
私はみずしな孝之のファンでありつつ、どこか好きになれない部分が非常に多いです。良くも悪くもみずしな孝之作品はどれも毒がありクドい作品ばかりです。もはや作風なのですが、暴力的だったり嘲笑的だったり。みずしな作品を分析してみると、どこか80年代の口の悪い漫才みたいな要素があります。

そのみずしな孝之作品特有の「クドさ」が全くない。コマツさんの毒のなさとムーコの純粋なアホっぷりが全てを吹き飛ばしてくれます。これが理屈抜きに面白いっっ!! ショート漫画としてここまで愛したくなる作品は他にない。すっごいハートフルで優しい。

コマツさんとムーコの関係性が凄い素敵。コマツさんはムーコを家族のように扱ってるし、ムーコはコマツさんを家族だと思ってる。それが読んでいてすごい気持ちいい。コマツさんがムーコを抱いててムーコが凄いいい表情してるのとか凄い癒されますもの。ああああ、大好きっ!!


動物漫画は何故名作なのか

こんなことを語るのもなんですが『いとしのムーコ』というタイトルが素晴らしい。コマツさんはムーコに愛してるなんて絶対に言わないし、特に好き好きオーラは出してない。でも、タイトルは『いとしのムーコ』なんですよ。コマツさんを含めてみんながムーコを愛してるってことなのでしょうけどね。2巻になるとキャラも増えますし。
動物漫画で書かれることは少ないですが、つねに動物をテーマにした漫画には「寿命」というテーマが裏にあります。動物との時間は今しかないのです。『スイートチーズホーム』『ベルとふたりで』なんかもそうですが、動物の寿命はそこまで長くありません。今という時は今しかないんです。寿命が同等でないからこそ、今という時を感じさせてくれる存在なのです。
動物漫画は優しくもハートフル。でも、リアリズムがつきもの。人間でもペットでも「生と死」を意識させられると泣けてくる。『いとしのムーコ』にそんなん出てこないですけど。須藤真澄先生の『長い長いさんぽ』を読んで以来私はつねに生と死を意識してしまうようになってしまいました。超感動巨編! 私が『いとしのムーコ』を読んでいると時々切なくなるのはますび先生の仕業です。



今回は若干シンプルに。『いとしのムーコ』は誰もが楽しめる作品なので心からお薦め。私の年間ベスト候補です。ベストジーニスト!! あ、4コマじゃないですけどね。4コマ以外の特集って久々だったかもしれない。やーはー!!