日々535 『マジで恋する』

『映画クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』を見てきました。時間が取れずに上映してる所を探し最終日、交通費が相当高くつきました…。
誰もいない映画館というのは少しだけ怖い。ピンク映画ならヤッホホイなんでしょうけど、笑わせる映画だけに静けさが不気味でした。
殆どの場所で公開終わってるのでネタバレありきです。見たくない方はここでやめましょう。


正直言わせると設定が良いのに勿体無い点が多い。一番気になったのは、何故マタを封印したのにそのままにしておいたのか? しんのすけを始末しないのか?
沢山いるように言っていますが、2人しか幹部がいないのも気になるし、世界観の説明も少なすぎる。全体的にあっさりしすぎ。
設定以外は今までの映画の良い所をスケールダウンさせたような印象を受けました。オトナ帝国以来顕著な印象を受けますけど、家族愛を強調しすぎですしね。
バトルなら『温泉わくわく大決戦』の家族決戦、剣の勝負、メカ勝負なら『雲黒斎の野望』の方が良かったですしね、爽快感が違う。
マタの飛行機もしんちゃんは乗っているだけ、なんですよ。もっとしんちゃんの想像力が反映されてる、とか意思が通じてるとかなら…。
世界が違う、というのを表現したかったんでしょうけど全部CGにしてしまったのも逆に傍観者具合を強めてしまったかと。


ヒロインであるマタは好きになる要素がないのも痛い。ヘンダーランドのトッペマ、カスカベボーイズのつばき、愛らしいヒロインと違い魅力がない。
出番も少ないし、裏の背景も全然見えない。何故世界を守りたいのか、とか歌う理由とか全然見えないんですよ。勿体無くてしょうがない。
全体的にヘンダーランドのスケールダウンですけど、『雲黒斎の野望』のもう一山ある感じも伏線見え見えで効果的ではないのも…。


全体的に「社会の厳しさ」「オトナと子供の目線の差」を描こうとしてたように思えます。作品を「クレヨンしんちゃん」にしたせいで霞んでました。
結局事件が解決したけど、まったく世界は変わっていない。それを周りも誰も気づいてないから何もプラス要素がないんですよ。
なんで夢の話をみさえとひろしがあっさり信じたか、というのも強引に押し切った気がします。見てて違和感ありました。子供が見るとそうでもないのかも。


ただ世界観のディティールは素晴らしく作りこんでありました。細かい部分でも気合を入れて作っているのが分かりました。
細かいところに旧作のファンをにやっとさせてくれるような演習もニクい。…それだけに勿体無いんだよなぁ…。


久々の本郷みつる作品ということで過度に期待しすぎた部分もあるかもしれませんけど、準備期間足りなかったのでは、とも思う。
私の今回の評価はカスカベボーイズ以下、という平均より少し低いレベル。ケツだけ爆弾の方が映画を見た満足感も高かったかと…。
興行収入が低いそうですけど、それとは関係なく私は思うままに感想を書きました。ヒットして欲しかったです、シリーズは大好きですし、これからも見たいので。]]