2010年の忘れ物 4コマオブザイヤー"外"の最終巻たちに花束を

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。手前味噌ながらご挨拶でした。あまりにも典型的すぎる挨拶で陳腐すぎる管理人の個性のなさが泣けてきます。やったね。
4コマオブザイヤーは非常に高い反響を頂きまして有り難い限りです。私の自薦ではなく、多くの投票者に参加していただいてこその結果であり皆様に感謝です。今回散々「3つなんて選べるわけがない! 3つなんて少なすぎる!」なんて言われたわけで。(※3つなのは主催がレビューをつける作品のキャパに限界があるからです。)で、選出外の面白い単行本が多々あります。今回は完全に私の自薦で「4コマオブザイヤー外の最終巻」について書きたいと思います。


イチロー! (5) (まんがタイムKRコミックス)

イチロー! (5) (まんがタイムKRコミックス)

大学受験に失敗し予備校近くの寮で生活をおくるななこと茜、それと周りの人達の物語。まんがタイムきららMAXを中心に長期連載をし全5巻で完結している。長年きららMAXで表紙を飾った看板作品。絵柄、作風共に安定感が高く、過去にアニメ化した作品と比べてもなんら遜色がない。ドタバタコメディ感もさることながら「溺愛」という名の百合感がたまらない。それも百合百合した感じではなくて、友達以上恋人未満な溺愛だから微笑ましい。
浪人生をメインにする以上、それは明るい未来だけが想像できるものではない。でも、友達がいて家族がいて仲間がいる。それだから頑張れるという、暖かな空気が伝わってくる。きらら作品屈指の秀作であり、未影が持つ絵のポップさと合わせてお薦めです。
二丁目路地裏探偵奇譚 (4) (まんがタイムKRコミックス)

二丁目路地裏探偵奇譚 (4) (まんがタイムKRコミックス)

ファンタジー探偵4コマ。吸血鬼である主人公アリスと探偵事務所のゆかいな仲間達のお話。吸血鬼やらシスターやら人造人間やら貧乳やらゲテモノ詰まってます。探偵事務所を舞台にしながらも探偵業なんかしやしません。
とにかくキャラクター感のバランスが良くて楽しい! ちょっと格闘ゲームっぽい、一応敵同志という設定がちょっと新鮮。所長とショコラのちょっとしたラブは見所、それを壊そうとする人造人間のエミリアとの三角関係が楽しい。個人的にショコラが本当に大好きなヒロインです。
はなたま (まんがタイムコミックス)

はなたま (まんがタイムコミックス)

修行に来た神様幼女の物語。全1巻であり、短くも感じられるが1巻完結ゆえの濃さがあり非常に読み応えあり。『ぽてまよ』と同様にぷにぷにマスコットが登場する漫画であり、作者らしさが全面に出ている。
ぽてまよ』に感じられる若干のシュールテイストは今作品では抑え気味であり、過去の作品群の中では最も馴染みやすい。主人公が悩みつつもはなたま、双子のお供との交流を通して成長していく様子は微笑ましい。屈指の名最終回である最終回は切なくも優しい。
学園カラーズ (まんがタイムコミックス(オールカラー版))

学園カラーズ (まんがタイムコミックス(オールカラー版))

「東京!」がランクインしているカワハラ恋のもう一作の4コマ作品。元々ネット上で連載された作品であるためカラーページで掲載されている。構成も他の4コマとは異なる意欲的な一作。「カラーズ」というタイトルにあるように色鮮やかな作品になっている。
ゆるい日常4コマという感じで他の4コマと比べ際立った特徴はないが、リアル具合とディフォルメ具合のバランスが良く読んでいて飽きない。メイン2人のオタクとだめな子がメインだが、それに花を添える2人が上手く作品のバランスをとっている。エノちゃん可愛い。
わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)

わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)

非4コマではあるが、4コマ誌に連載された一作。作者がわびれを求めて全国を駆け回る。旅行記として面白いが、作者の日陰っぷりが感じられる一作。同行している女性編集者のツッコミがなかなか素敵な一作。
よんこまのこ (SUKUPARA SELECTION)

よんこまのこ (SUKUPARA SELECTION)

重野なおきが描く子育て4コマ。実話であるフィクション系4コマでありながら日常をおもしろおかしく描いている。どうしても子育て漫画というと辛い部分が垣間見え読んでいてキツい部分があるが、そういう部分も上手く笑いに変えてくれていて非常に楽しい。夫婦共に漫画家であるという部分も特徴。
(※この作品はおそらく続刊出るはずです。雑誌の消滅が怖いので今書いただけです。)