ここらでカラスヤサトシの著作を整理してみようか

あけましておめでとうございます。今年もマイペースに頑張ります。なんか仕事ください。あ、無職ではありません。お金にも困ってません。
そろそろ、実体験4コマからはじまり4コマ誌で連載、一般紙でも連載、映画化までしている時代の寵児(4コマ漫画家としては)カラスヤサトシ先生の連載をそろそろ整理しておくべきなんじゃないか、と思いまとめておくことにしました。ちょっと漫画寄りでないのとかは除外してます。


カラスヤサトシ』永遠の代表作。アフタヌーンの読者コーナーのおまけで掲載されている「テーマに添った4コマ」を書くだけの4コマ。担当のT田さんが異常にキャラ立ちしている。初期から現在まで安定した面白さは変わらないが、初期は妙にハングリーで貧乏臭い。中盤以降は生活が安定しているためか殺伐さはなくなっている。作者もそれを指摘されることが多いのか「売れたらあかんのか!」と逆切れするという作品も掲載されています。やっぱり面白い。


映画化もされた永遠の代表作その2。カラスヤサトシが上京してきた頃のお話。他の作品と比べるとコメディ色は若干薄くセンチメンタリズム。家族の話や女性関係の話などが赤裸々に描かれている。普段の実話ものと考えるよりは『まんが道』のようなセミフィクション的作品と考えたほうがいいかもしれない。一人のマンガ家の若かりし青春時代の一つ。


「よくわかんねぇ三部作」竹書房作品は「とりあえず無茶させとけ」がコンセプトになってると思います。『キャラ道』は「キャラ作りを無茶ぶる」『萌道』は「萌えスポットを無茶ぶる」『野生のじかん』は「野生的を無茶ぶる」という4コマ漫画。一時記カラスヤサトシが超売れていて「とりあえず書かせとけ」的空気があって、「なんでこれ書かせてるのかな」みたいにこちらが感じている時期もあったが、この中では『野生のじかん』がその壁を越えてきた印象がありまして、カラスヤサトシワールドをいかんなく発揮した面白さ。個人的にカラシヤサトシ作品で相当好きな作品です。


色々なところに出かけてレポートする作品。作品乱立期。カラスヤサトシ作品で一番強く「無理やり面白くしようとしてる」雰囲気をバンバン感じる作品。普通の場所をなんとか面白くしようとしてるが、面白くないものを面白くしようとするのは難しい。妄想とコントでなんとか面白くしようとしてるのが伝わってくる作品。


でかけモンと同じくレポート漫画ですが、編集者のキャラが非常にたっており、作品が乱立していた過度期も超えているためか肩の力も抜けていてなかなか面白い作品に仕上がっている。やはり編集者がゴスロリカラスヤサトシに当たりが強いというインパクトが強烈すぎる。


学生時代の実話切り取り。リアルが充実してなかった人ほど面白いはず。拗らせすぎてるあなたへ。


カラスヤサトシ人生の転機を描いた4コマ漫画。それまで「モテたい」「童貞」色が強いキャラクターだったため「え、カラスヤ先生結婚?」「え、子供も?」的驚きを読者に与えたわけですが。まぁ、そこにもいろいろドラマがあるわけで…。カラスヤサトシ先生の作品に安定感が増したのも家族の存在があるのかなーなんて思ったわけで。


とにかく「カレーが好きな編集者とカレーが好きな漫画家がタッグになって好きなカレーについて書きました」的作品。カレー好きの情熱が半端なく伝わってくる作品で個人的には大好きです。


強風記 (KCデラックス)
強風記 (KCデラックス)
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カラスヤ サトシ
講談社 (2012-08-28)
オリジナル作品。レポートで学んだ技術と本来カラスヤサトシがもつオリジナル性が融合しており非常に実験的で面白い作品。どこか古風で古臭い匂いがするカラスヤサトシ作品の雰囲気と背景が見事に融合している。


…主だったところだとこんな感じです。まだまだカラスヤワールドは広がりを見せています。「面白くないことを無理やりいじって面白くしようとしている」的匂いが一時期はありましたが、仕事もある程度落ち着いたことや家族ができたからか、あんまり空回り的雰囲気は感じられなくなりました。作風の幅も広く安定していることから、これからの活躍に期待したいところ。こんだけバイタリティーがある4コマ作家さんはなかなかいませんからね。