日々841 『レポート ザ・プラン9 仇男』


シアターサンモールにてザ・プラン9「仇男」を観賞。プランを見るのは一昨年の本公演『銀行のススメ』以来となります。
当時のレポを読めば分かりますがあまりにも前作(久馬脚本・演出で)の出来も酷く史上最低のワースト作品だったので不安でしたが、さて。
ネタバレ上等なのでここまで読んで先を読みたくない方はお帰りください。DVD化もされるでしょうからね、例によって。
物販でついにCDを二枚購入。劇中歌ですけど、OKEI:GOOが滅茶苦茶良いですよ。大名曲!!

仇を一日だけ討っても罪にならないという仇討ち法「仇男」が施行された。その第一回に選ばれた5人。
ホスト(鈴木つかさ)オタク(なだぎ武)、ホームレス(お〜い!久馬)、青年(ヤナギブソン)、公務員(浅越ゴエ
集められた五人が談笑をしている中、一人一人に国の仇男担当であった公務員(ゴエ)からそれぞれがそれぞれのターゲットだと教えられる。
自分自身がターゲットであるゴエは催眠薬で周りを眠らせた隙に自殺し、他の者は殺し合いを始め…。

…と、全員が全員の仇討ちのターゲットというまでは当然予想がつきましたが全員死んでから「ゴエが起きるな」とようやく分かった。
鈴木が浅越の銃を取った時にオモチャだと分かった時点でようやく察しましたよ。伏線を完全に回収してたね、酒の件とか…。
矛盾点を気づかせないように伏線を貼っていたのはさすが。違和感は持つけど、なかなか気づくまでいけないのよねぇ…。
「通りすがりのゴエがどうやって身元を調べたのか」が疑問の種になるかもしれませんが、金で探偵に見つけさせた、ですかねぇ。
あとは何故ゴエの自殺した銃声は二発だったんでしょう、謎です。アピールでも一発で良かったんじゃないでしょうかねぇ…。
手術台の莫大な金に比べればなんとかなるでしょう。他はともかく、…ただ酔っ払ってぶつかっただけの鈴木が殺されるのは少し可哀相ですね。


今回は久々に良かった。テーマがテーマなので緊張感からか終始ピリピリしててエチュード以外は思いっきり笑えなかったですね。
久馬さんはなにやっても久馬さんだから変わらないけど、他は結構キャラに縛られてて暴れるのが少なかった気もしましたな。
それだけに「こわがり」「禁洒法」を越えられる出来ではなかったです。あれは最高傑作だしあれと比べるのは厳しいですけど。
ただ「まだ来ないのか」というだけで中身の会話は少ないからもっと重厚な会話があるならともかく、間延びした部分なくせば20分で終わる。
緊張感が保てないなーという感じはして仕方がない。だからって20分で終わって納得できるかってと、納得できんしな。そこは練って欲しかった。


エチュード(即興アドリブ劇)が唯一の自由な遊びでしたし面白かったですね。漂流した五人という設定で鈴木氏が悩んでいたのが面白かった。
それでも最後のオチは鈴木氏の誘導だからなぁ、まさかキスするとは! カーテンコールでも初めがキスなら最後まで最後はする、とか言ってたしw


シアターサンモール、三列目はめっちゃ前なんですけど(5mぐらい?)それだけに下が見えない見えない。
眠らされて鈴木が倒れてるのとか見えませんでしたしね。エチュードギブソンのキスはよーく見えましたけど。
他は埋まっているのに横がガラーンと5席ぐらい空いていてなんか気になりました。なだぎさんも行くくらいだしスペース・ゼロのほうがなー。


久さん演出、最初のあれも悪くなかった(むしろ良かった)ですけど、演出はやはり鈴木氏が良い。音楽も記憶に残らない。OPのあれが見たいのです。
なだぎさんの歌パートもダダ滑りでしたしね…。面白いより気持ち悪いが先行してませんでしたか、マリリンは色々謎残しましたねぇ。
それでも最後の鈴木VSなだぎは見ごたえがあった、もっと長く見たかった。なだぎさんの腕は太いし、本当にあれはカッコよくて良い!
プランでなだぎさんのアクション以外でアクションに魅了されたのは初めてなような…。