日々861 『レポート アンジャッシュ児嶋一哉ソロコントライブvol.1』

アンジャッシュ児嶋一哉ソロコントライブvol.1』を見に俳優座劇場に行ってきました。俳優座は初めてでしたがいい会場ですね、見やすい。
DVDになるようなので…と、いうか初めからDVDにする事が決められてる時点で相当作家の手が入ってるんだろうな、と感じた。
好評によりDVD化!、とかなら分かるんですけど。当然ながら映像から音楽までチープ感ゼロでかなり気合いが入ってましたよ。


結論からいうと「面白い。でも4000円の価値かというと…」という感想。初めて一人でやるから仕方ないけど洗練されてないのだ。
オカマとかキャラはあるけど全部「アンジャッシュ児嶋」を脱してないので変化がないのも痛い。それが変われば印象も変わるのでは。
結局数本あった「アンジャッシュ的なコント」が面白い、というのはある意味本人にも壁なんだろうな、と思った。一人版、というか。


実際はタイトルがアンケートの裏に書いてあったんですが、私はアンケートを提出してしまったので正式なタイトルはあしからず。


(OPコント)
アンジャッシュ児嶋としてのコント。番組前に面白い話を考えなければならなくなり、友人の話を自分の話にしようとする、という内容。
このコントが後々影響を与える(と、いうか全部露骨にリンクさせるんだけど)すべり芸じゃない、と言いつつ初めに滑り芸人コントはどうだろう。


(待ち合わせ)
デート前に待ち合わせるが児嶋は初デートの挑み方に不安を覚える…。このコントは本当に滑ってましたね。クスクス笑い。
もっと突きつめれば面白くなる部分があったと思うんだけど深追いしなかったなー「普通ってなんだっけ」「初めの挨拶」とか。
全体的に言えることなんだけど結構あっさり「普通なら不思議なこと」を流したり、つっこまなかったりするのが気になりました。


(VTR)
二文字でどんどん繋げていくしりとり。前のコントの後引いて場内は盛り上がらないけど「タイタニック!」とか面白かったですね。


(ピザ)
児嶋は酔い潰れて起きると身の知らない覚えが数々起こって…。このコントでようやく面白くなってきました。初めの「タイタニック!」で掴んだ感あり。
このコントは考えるとツッコミどころ満載なんだけど、児嶋のオカマキャラがメイクとかしてないのに妙にはまってて面白かったですね。
さすがにブラジャーは予想外、ありゃ笑うよ! 最後はオカマに戻って逮捕かと思いきや結構普通に終わったので残念。


(クラブ)
愚痴を音で消して別の文にするアンジャッシュ的コント。「そうくるとは思わなかった!」という感想ですが、常套手段的なコントでもあるよなー。
これが一番面白かった…というのはどうなんでしょうねぇ。これには大笑いさせられたなぁ、ほんま面白かった。文章が出る前から笑ってた。


ラクビー)
このネタでR-1いけるんじゃないか、と思える出来。他のコントもだけど「ここオチなの?」という唐突な終わりも結構ありました。
一回仕組みが分かるとネタも読めるんだけど児嶋の話術でそのネタも全然面白いし、むしろコジだからこそ生きる、という気がしました。
AV監督の件はめっちゃ笑ったなぁ。「もっと長く見ていたい!」と思うコントでした。あっさり終わるのは勿体ない。


(軍隊)
児嶋隊長の軍隊の訓練。SE頼りコントですけど児嶋のツッコミが試される形。色々パターン用意して広げた方が良かったんではないかな。


(怪盗)
初めのコントに出てきた「怪盗ブラック・パンサー」とリンクするコント。台詞いっさい無しで文字のみで説明する形。
…このコントを最後にしてしまったのは失敗だと思う。「早変わり」をテーマにしてるにしても、はっきりいって中途半端。
全然笑える部分もないし、なんでこのコントを最後にしてしまったのかなぁ。好き嫌いは別れるかもしれないけど、自分はダメでした。
最後なら最後でもっと思いっきり笑えるのが見たかったですね。VTR後にもコントがあるとか、物足りない感が残る内容でした。


ラストの挨拶も他の舞台ならしっかりやるんですけど、一人だからかいっぱいいっぱいでしたね。時間が押してたとは思えませんし。
(カーテンコール大好き主義としてはじっくり話を聞きたかったです。残念。)
それでも拍手でちゃんと出てきたのは良かったですけど…。まぁ、初めてのソロ舞台じゃ勝手も分からんし仕方ないか。
「もっと長く見たかった」というボリューム不足感が少し残るので…。最後のコントが原因かもしれませんけど、構成は練り直してもらいたい感じ。


全体的には最初に書いた通り「面白いけど4000円の価値は…」という内容。2回目をやるなら色々と改善してもらいたい点は多いね。
むしろ、十分タンピンでもやれるのが分かったんだから別の人と組んでやるとか、大人数でやるとか可能性は広がったんではないかな。
一番思うのはキャラクターの引き出しを広くしないと飽きがくるということ。他の腕があるピン芸人はそれが出来てると思うんですよね。
あと力技で笑わすことができると思うし。その辺はカラ回ってた気がするし、なまじ完成度が高いから逆にアラが見えるというか…。勿体ない。
リンクが安っぽい印象も受けましたし。それほど意外でもないリンク、なんでもかんでもリンクさせりゃいいってもんでもなく。
アンジャッシュ児嶋」として最低限の作品は作らないといけないのだろうけど、もっと枠を取っ払った「児嶋一哉」が見たい、と思ったのです。


次もやるなら行きたいけど、次が「今回」を下回るようなら見たくないな、と思います。これが最高ではないと思うんで。
私もアンジャッシュオンバトの頃か好きですし、昔から好きだからやっぱり期待してしまうのよね。頑張ってもらいたいです。