大河ドラマ1 

篤姫について』

私は毎年大河ドラマを第一回から最終回まで見ています。家族全員で見るのが習慣となっているのです。アットホームですね。
今年の『篤姫』は視聴率が非常に高いという事もあり、世間的な評判が高い作品だったようで。私も一度も見逃さずに全ての回を観ましたよ。


ここ数年、最高に満足できる大河ドラマなんてないんですけど、篤姫も満足できませんでした。なんというか、薄っぺらいというか滑っているというか。
篤姫の言葉は立派だし、強いんですけど、言葉の割に行動が伴ってない。結局、他人事に全てが進んでいくようにしか見えない。
やっぱり宮崎あおいの容姿もあって、成長して持つ成熟した大人の女性の強さが見えなかったのが痛い。身なりが立派になるだけでした。
それが美徳なのか知らないが、いちいちリアクションが子供っぽい。「純粋・素直・虚栄心がない」人物像を描こうとしてるんでしょうけど…。
どうしても、大河ドラマがカリスマ性ある女性をメインに描こうとすると「周りはイマイチ。主人公は聡明」という演出になってしまうよね。


大奥の周りの人間も生島以外はキャラクターが薄すぎて、最終回で色々な人が来るのにあまり感激もない。「ああ、ふーん…」みたいな。
正直な話、最終回もいらないんじゃないかな、とすら思った。ひたすら間延びしちゃってるなぁ、と。タダの傍観者のまま終わりですもの。
薩摩の人間を描くにしても、潔白な小松帯刀以外は何を考えているのか分からない。大久保利通などは最後まで感情移入ができなかった。
その時その時、言葉で感情を吐露するだけなんですよね。「薩摩だけ」に絞って「名場面」だけを見せようとしてるから、なんだか唐突に感じる。
篤姫の大奥での立ち回り、無血開城、核になる場面にも尻つぼみ感が残る。「あれ、これで終わり?」みたいな物足りなさが残る。
メロドラマ要素も一々寒かったですし、随所随所での大げさだったりする、イマイチな演出がドラマを観てて冷めてしまった、という部分も多いと思う。
甘口ジャッジで☆三つですかね。もっと低くても良いんですけど、作品の全体的なクオリティ自体は低くなかったと思うので。


来年のドラマ「天地人」は色々と不安だ。内容自体は骨太で面白そうですが、キャスティングが問題。石田三成小栗旬とか不安しか残らん。


古い大河ドラマを観たい。スカパーとかで放送してるのと、DVDで観るしかないんですけど。レンタルってあっても総集編だけですよね。
大河ドラマを総集編で観るのは物足りない。あんだけ素晴らしい中身を短く纏めてしまうのは、はっきりいって勿体ない。
折角大志を抱く幼年期、成長し挫折も経験する青年期、その人物が最も活躍する成熟期まで時間をかけて描く過程が大河ドラマは面白いのだから。
高額ではあるけど、時間をかけて大河ドラマの完全版DVDを買いそろえていきたいな、と思っています。