日々983 『ラッパパッパー』

今日は本の感想だけ。他にも書こうと思ってましたが長くなったのでカットカット。

バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)

早くも6巻って気もしますが…別に早くもないのよね。絵師の葉賀ユイさんが昔から好きなのですけど、作者のアホさ加減と絵の化学反応が相まって素晴らしい作品となっています。
私が好きなだけですけど、もう表紙だけで飯三杯食えますね。4巻の美春といい相変わらず表紙の出来が神がかっておりますよ。「工藤さんかわぇぇ」という事で。
早速感想を書いていきたいと思いますが、無論ネタバレありなのでご注意ください。バカテス、アニメ化だってねぇ、そういえば。特に不満はないですー。


前の巻で伏線とされていた召喚システムの不具合から召喚獣が妖怪化されてしまう。その不具合を隠すために肝試しを行なう事に。トラブルから2年VS3年生という構図が取られる事に…。
と、いうあらすじ。バトルあり、肝試しでのバラエティーあり、二度目の文化祭という感じの内容ですね。


相変わらず葉賀さんの絵が神がかり。特に木暮さんでしょう、この巻での一番は。浴衣の下に新体操の服という荒技を書き切った二人に拍手を送りましょう。他にも美波姫路コンビや最後の姫路さんも素敵でしたね。くだらない絵も可愛らしい絵も描けるのが強みですな。
最近のラノベは「ただ可愛いだけ」だったり、その絵すら歪な作家もいますからね。どうしてこれで通したのかってぐらいに。…特に例は思いつきませんがそんな人が沢山います。某有名ノベルの方は苦手なだけですが。
今回も全編通して本当に笑えた。「友達はボール!」て。特に序盤のF組のバカ連中は素敵。本当にパッパラ隊と同じ匂いがするんですよね、カッコつけてるけど心底バカばっかりという。作者影響受けてるんじゃないかってぐらい。


6巻で最も辛いのは「姫路さんルートでほぼ確定」という事でしょうか。最後の姫路さんの「初恋は続いている」とアキのやり取りで「お前ら付き合っちゃえよヒューヒュー!」状態すよ。
これで姫路さんが「兎の髪飾り」のエピソードまで出たらねぇ。キスまでされて姫路さんに惚けてられる理由すら。いい加減まどろっこしくすらあるし、美波がとんだピエロでしょう。
(最後のは分かってないんでしょうけど。あうえう)
と、いっても4巻の美波の話のように「まだだ! まだ終わらんよ!!」と抵抗したいものです。私はこの作品の中で美波が大好きなのですよ。ド本命より大穴を好きになるのよね。
別に姫路さんが嫌いなわけではないですし、誰かが不幸になるルートは悲しくてね。完全決着というよりは少し「ボカす結末」になるのかな、とも思いますけど。
性格上直接的すぎて空回りしているのが不憫。つーか、これで姫路さんルートなら「小学生の恋心」という時間と性能のどうしようもない差なわけで。
「結局それが勝因?」という感じになります。過去に「好きになったのは私が先」という美波の言葉があったので、それが決まり手にならん事を祈ります。それって悲しすぎるじゃない。


少し不満を述べるなら、最後の「アキが切れる」→「最後の戦いで勝利」というパターンはもう先が読めてしまう。勿論、見せ場ですし主人公が頑張るというのは当然なんですけど。
特に2巻の文化祭編でも同じ事をしているだけに「あー、またこの展開か」というのも。姫路さんとの後日談といい、今回は最後が2巻のパターンを踏襲しすぎてる気がしましたね。
(…まぁ、それは最後の展開が姫路さん主導だったから入りきれなかったのもあるのかも。どうしても美波贔屓に見てしまうんで)
ある種、キャラクターの個性が確立されているだけにムッツリーニの使い方やパターンがお決まりの物になりすぎてる形が見れる。定番の心地よさでもありますが、それは残念でもあり。
この小説には殆ど嫌な奴がいませんけど、常夏コンビが作品上完全に嫌な悪役と書かれてて救いがないのも残念。私としては嫌いじゃないんですけどね、再登場は嬉しかったですし。


次は短編集で海の話(本編でやらんのですね)をやって体育祭でしょうか。それでイベントとしては旅行があと一回ぐらいありそうな気がしますが。次の巻も楽しみです。お薦め!