日々995 『レポート 人生画力勝負inロフトプラスワン(第一部) 西原理恵子VS藤子不二雄A』

※私はメモをまったくする気がないので記憶だけで書いてます。うろ覚えなので、文脈や前後、発言に微妙な間違いがある可能性があります。
※写真も一応載せていますが、雑誌に載ると思うので雰囲気のみ感じ取ってください。上手く撮れませんでしたので。雑誌のネタバレになりますのでご注意を。(写真は撮っていいすよー、と良識の範囲に任せるという事を言われましたのでご了承を。問題があるようなら対処します。ビバ!)

西原理恵子さんの「人生画力勝負」に行って来ました。平日なので私もあくせくしながらなんとか到着、平日なので思ったより疎らでしたが結果的には大満員。
年齢層は思ったより若め。A先生の大ファンという方がちらほら(思ったよりも多くない)年齢層もそれ程高くなく、思ったより西原先生のファンが多い感じ。男女半々か。
OPトークは西原さんと八巻さん(ビッグコミックスペリオールの編集者。私の中では『おごってじゃんけん隊』の担当さん、漫画に熱い男でお馴染み)のトークから。
まずは映画化される『いけちゃんとぼく』の予告編を観賞。その前後も映画の話をしてました。机に置いてあったいけちゃん人形は監督の手作りだそう。監督、暇らしいw

(予告編の内容を見て)
八巻「これネタバレですよね」
西原「これネタバレだって言ったら会社が「余命一ヶ月の花嫁だってあれでガンガン入ってるんだからこれで良いんです」だって。監督は「こんなんじゃない」って泣いてました」
八巻「監督は発言権ないですよね」
西原「監督が一番力無い。映画がコケたら監督は3年間干されるらしい。だから怖くて電通の社員辞めてないんだよ。当ったら辞めて夜の演技指導するって」
(※監督は夜の演技指導をするのが夢らしい。中堅監督に「実際あるんですか?」と聞いたら「ありません」と答えられたとか)
八巻「電通の社員良いと思いますけどね」


八巻「って、いっても西原さん予告編の1分で泣いてますからね」
西原「うちの故郷の近くで撮ってて林道が出るだけで泣ける」
八巻「それ以前から泣いてましたよ。ロゴが出る時点で」
西原「新宿の(失念)通っても泣くよ。あの辺りのミニスカパブでバイトしてたから。暗い所とかダメな人とかいっぱい集まってたから何も後ろ盾なくて私も落ちぶれちゃうんだろうなって悲しくなった。この世の暗がりがあった。ブレードランナーはそこを描いてなかった!」

『おんなのこ物語』の予告編の中の『西原理恵子出演!!』の文字が出るたびに会場大笑い。

西原「服装が綺麗すぎてギャルソンみたい」
八巻「担当の私が言うのもなんですけど、原作の要素ないですよね」

その後は『漫画家生活25周年記念企画西原理恵子博覧会「バラハク」』のお話。グッズの話や、地方に行くなどのお話。「お金がないから消えちゃうかもしれないけど」と言ってましたが…。
毎日かあさん』関係のグッズは西原さんには少ししか入らないらしく、殆ど会社が持っていくらしい。ただ『セックス鳥』だけは別物らしいです。(そりゃそうだw)

八巻「25周年って嘘ですからね。21周年でしょ」
西原「デビュー前にエロ本で色々やってたしー。だから25でいいやって。新聞社は裏取るからめんどくさい」


西原「ヤンサンを潰しても赤字が補えないんでしょ?」
八巻「私と西原さんはヤンサンでちくろ幼稚園という連載をやりましてね。鳴かず飛ばずでしたが」
西原「全然ね。でもヤンサン載ったのは嬉しかったよ」
八巻「当時はヤンサンはそれ程…。美大生だって言うんで書いてもらったんですよ」

30分ぐらいOPトークをした後で、人生画力対決の最新号を見ながらトーク

八巻「(漫画の中のA先生の例え)心の仏壇って例えはどうなんですか?」
西原「だって他人の家行って仏壇ひっくり返したら怒られるでしょ? 小池とかさいとう・たかを怒らしても私リード社から干されたって痛くもないもん。鬼平書かないし」
八巻「ゴルゴ13で増刊号出してるんですけど、ゴルゴ増刊出すと25万部売れるんですよ。普通に出すのより売れる。普通に出しても20万部ぐらいですからね」
西原「もう同じの出したって分かんないでしょ。藤子A先生は月200P書けってさいとう・たかをに怒られるんだって」

そんなこんなで、A先生を呼び込む。今日一番の歓声と拍手。

ここで西原さんのTシャツを着込んでいたのを見せると大拍手。早速ビールを注文。


八巻「この顔はどうなんですか?(漫画の絵を見て)」
西原「あびこ鳥って言うよ」
藤子「どんな風に書くのかなーって思ったらさ」


西原「今日も写真撮るんですよね?」
藤子「カメラ持ってきたよ(インスタントカメラを出す)」
西原「しかも使いかけ! セコいな〜」
藤子「すぐに出せるからね(西原:便利なんだよね)ボクは昔はカメラマンだったんだよ、高いカメラにも興味あったんだけど、今のカメラは使えば撮れるからこれで十分なんだよね(インスタントカメラを机に置く)」


藤子「内田春菊…じゃない(何故か内田春菊と間違えるボケを繰り返してました)西原さんの漫画を3年前に読んですっかり気に入っちゃってね。それでことわざの連載をするからオファー出してね。でもご主人の体調がその頃悪くて…」
八巻「これですね(スライドで連載を出す)」

八巻「ねぎしに先生一人でいましたよね?」
藤子「なんで知ってるの?」
八巻「ちょっと小耳に挟みまして」
藤子「お姉ちゃんが西原さんの展覧会を見てこないとダメだって言うから渋谷に行ってね。ボクは肉とか魚はダメなんだけど、ねぎしというのは薄い肉があってね…」
西原「タン定食?」
藤子「そうか、あれはタンか。タン定食というのがあってたまに食べたくなるんだ。お姉ちゃんが帰るって言うからボク一人でねぎしに行ってね。結構綺麗な店でね…」
(だんだんとA先生の一人語りが独壇場で一同苦笑い)
八巻「A先生が一人で定食屋にいたらビックリしますよね」
西原「私も驚くよ」

藤子「今日はこれを持ってきてね」
(毎日母さんの一コマを書いた絵。一同大歓声)

西原「あげないよー!! 私、今日これで帰っても良い」

まずはA先生に慣れてもらうために、スライドで絵と手を写しながら喪黒福造を書いて貰う事に。

藤子「最近漫画書いてないからなぁ」
八巻「書いてるじゃないですか、まんが道の続編とか」

八巻「帽子から書くんだ」
まずは帽子を書いてツバにベタを塗る。
西原「あー、ベタ塗るんだ」

続いて、西原さんが書くことに。同じく喪黒を完コピで書こうとする。

八巻「書き順当てじゃないですよ。…あ、目が違う」
そして、最後にはふじこAくんへと書いて締める。一同大笑い。

それから、いい加減八巻さんが画力勝負を始めようとする。1回戦のお題は『ゴルゴ13

西原「ゴルゴって仕事する前に乳揉むんだよね。上に女乗せて乳揉むの」
(A先生が八巻さんに話しかける)
八巻「どんな服着てるのか聞かれました。ネクタイつけてますね」
藤子「ネクタイつけてるんだ」
西原「ダスティン・ホフマンみたいのだよね。あ、銃を書こうとして墓穴を掘った…」
藤子「ピストル持ってるよね」
八巻「ピストルなんて持ってませんよ! ライフルですよ、スナイパーですから。ピストルで撃ったりしません」


(藤子ゴルゴを見て)

八巻「(Cマークを見て)さいとう・たかを先生許可出してませんから! ルパン入ってますね」
西原「あー、ルパンっぽい」


(西原ゴルゴを見て)

藤子「これは靴下?」
西原「銃ですよ!!」
藤子「さいとう・たかおじゃないよ」
(答えを見て)
西原「全然違うね」
(その後、国友先生がこの様子を見て「ブリーフを書け!」と怒ったらしい)

第二戦は「石川遼

八巻「A先生はゴルフ好きですよね。だから石川遼です」
藤子「ボクは石川遼君に色紙を送った事があるからね」
八巻「そうなんですか!?」
藤子「ニュースに頼まれてね、綺麗なお姉ちゃんがいる番組。彼がアマチェアなのに優勝してね、頼まれてもいないのに君は現代のプロゴルファー猿だって書いて。凄い喜んでくれたよ。でも今年は調子悪くてね、このまま消えちゃったらどうしよう」
八巻「そんな事ないですよ! じゃあいけますね!」
藤子「どんな顔だったかなぁ」
西原「高校球児みたいのだよね」

これはA先生貫禄の出来。西原さんの絵はなんか似ている。何故かお父さんが書かれていました。


藤子「お父さんが書いてあるのはいいね」
西原「なんかお父さんが口うるさくて嫌われてるって週刊文春か新潮で読んだ」

第三戦を決めようとすると…。

八巻「先生はどんな女性が好みなんですか?」
藤子「若い人は分からないかもしれないけど、やっぱりりえちゃんかな」
八巻「りえちゃんというと西原さん?」
藤子「違うよ、宮沢りえちゃんだよ。ボクあの子の後見人なの(以下、宮沢りえさんの男性関係、出会いについて延々と話す)」
藤子「テレカも持ってるよ(あびちゃんへと書かれたテレカを出す)」

八巻「先生、ただのアイドルオタクになってます」


八巻「じゃあ、次は叶姉妹を…」
藤子「よく分かんないな。やめようよ」
八巻「じゃあピカチュウ…」
藤子「よく分かんない」
八巻「分かんないんですか!? じゃあアンパンマン…」
西原「アンパンマンなら私勝てる! やなせたかしさんに水木しげると似てますねって言ったら「あんなんと一緒にしないでくれ!」って言われたよ。この世代は…。南方で一人生き残って似てると思うけど。怒らせちゃったかもしんない」
藤子「二人とも戦争行ってるからね」
八巻「おいくつでしたっけ?」
西原「二人とも90ぐらい。まだ20年はいけるね」

藤子「つのだじろう呼んでみない?」
(一同、歓声)
西原「私が小学5年生までトイレに行けなかったのはあの人の漫画のせいです。うしろの百太郎の白塗りとか。あの人の漫画は絵が硬いよね。凄い硬い」
藤子「あの頃は硬い絵が受けたんだよね」
西原「空手バカ一代の大山さんの話を鴨ちゃん全部信じてたよ。うちの息子も極真行ってるんだけど」
藤子「極真会館?」
西原「そう。極真会館。大山の話は全部嘘だって言ったら、そんな事ない、大城さんは…ってそこから間違ってるつーの!!」
(一同大笑い)
藤子「ボクは格闘技にちょっと興味あってね、つのだに空手を習いに行くって言うから付いて行ったんだ(以下、愛知りの話…途中、八巻さんが進行しようとするも「もう終わるから」と話はじめる)ボクは仕事があるからって断ったら大山さんから電話が来て「何故藤子くん来ないんだ!」「仕事があって…」「今すぐ来なさい!」って怒られちゃってね。半年ぐらい行って海外に行くってやっと逃げ出してね。大山さんは真面目な人だよ」

三回戦は「トキワ荘の住人」

八巻「じゃあそろそろ次の勝負に行きましょう」
藤子「書くの? ボクはこの後飲みに行くから早く帰りたいんだけどなぁ」
西原「ちょちょいと書きましょう。メカとか!!」
藤子「ボクはメカなんて書けないよ」
西原「私も書けませんから!!」
八巻「じゃあ〜、トキワ荘の住人なんてどうですか?(歓声が上がる)」
藤子「良いけど、それは西原さんが不利じゃない?」
西原「別に私はいいです!!」
藤子「じゃあ、テラさんと石森と赤塚とつのだでいいかな。テラさんとか知ってる?」
八巻「スポーツマン金太郎の人ですよね」
西原「頭がボーンってなってる人ですよね。漫画に熱くて迷惑な人。漫画に熱い人」
藤子「テラさんは面倒見が良くてね。赤塚も僕らもみんな家賃払って貰ったりお世話になったんだよ」

西原「鴨ちゃんは本当に熊を倒したのとか信じてたんだよ。トキワ荘ってあの人がいたよね…○○?(以下、複数の漫画家名)」
八巻「○○は違うと思いますよ。水野英子?」
藤子「水野さんはいたね」
八巻「先生がいませんよ?」
藤子「ボクも書くの?」

A先生は当然ながら貫禄の出来(赤塚でなく、F先生を書いてしまった模様)

八巻「こののび太くんみたいのは?」
藤子「これがボクだよ」
(西原さんの絵披露。上にはとあるお遊びが…)

藤子「石森とテラさんは特徴を捉えてるね。つのだはいい男すぎだな(うしろの百太郎的な強面になっている)」

書きたがらないので、事前に書いて貰った会場のアンケート(先生方に質問が出来る)を読みながら質問に答えて貰う流れに。

八巻「先生は月何回ぐらいパーティに行くんですか?」
藤子「月2,3回かな」
八巻「ゴルフは何回ぐらいですか?」
藤子「月6回くらいかな」
八巻「週1ぐらいですね〜。飲んで徹夜で行く事もあるんですか?」
西原「今日も2人ついてますからね。藤子先生を無くしたら全国に敵の目で見られる」
(注:…こういう事を言ったのは覚えてるんですが、全然別の場所とかだったかも)
藤子「今日も飲みに行くからね。漫画家が飲むのは担当なんだ。でも、ボクは担当と飲むのが好きじゃなくてね。ボクは子供の頃電熱器って言われてて、人前に出ると赤面してしまうんだ。若い頃は仕事もしたけど、人に会うのが段々楽しくなってきてね。藤本くんはギャンブルもお酒もやらなかった。ボクは新聞社に勤めてたからそこで色々覚えたんだ。ボクは○○先生(失念)の大ファンでね、バー「マリファナ」に行ったらママが「○○先生の定席だ」って席があったんだ。ボクはそこに行ってね「漫画家やってます」って言ったら先生は漫画も読んでいてボクの事を知っていてくださったんだ」
八巻「先生の漫画のキャラクターのデザインでこれは気に入っているというキャラはいますか?」
藤子「若い人は知らないかもしれないけど、フータくんかな」
(これはちょっと意外だったり。フータくんを気に入ってるのは聞いたことがありますが…)
八巻「気になっていたんですけど、20代も40代も75歳には同じなんですか?」
藤子「うん、その通りなんだよね。最近は女性より男性の方が好きなんだ」
八巻「そんな事ないでしょう。始まる前に美女は来てるか、って聞いてたじゃないですか」
藤子「男が多いな…。女性は好きなんだけど、女性をどうこうしたいとは昔から思わないんだ。女性といるのが好きなんだな」

書こうとせず「そろそろ飲みに行くから」と帰ろうとするA先生をなんとか書かせようとする一同。

西原「ちゃっちゃと書けるもの!!」
八巻「じゃあのらくろ書きます?」
(歓声)
藤子「若い人は知らないでしょ?」
西原「大丈夫です! 再放送で見ました! (のらくろの歌を歌い出す)」
西原「ブル曹長がいるんだよね」
藤子「田川水泡さんに怒られちゃうな」
(絵を受け取る)
八巻「これは…西原さん勝ってます(カメラのバッテリーがギリギリなので西原さんのを撮れてませんでした)」

西原「これは違うよ〜!」
(一同大笑い)

藤子「ボクも長くないからね」
八巻「いやいや」
藤子「最近ボクは死を売り物にしているんだ」
八巻「いやいや」
藤子「そんな事ないって否定してくれるのが嬉しくてねぇ」

八巻「じゃあ会場のプレゼントに色紙をお願いします。ハットリくんなんかを…」
藤子「ハットリくんはさっき書いたからね」
と、言い怪物くんを書いてました。スライド上映しなかったので、西原さんに「書き順みんなに見てもらえばいいのに」「もう終わるからいいよ」という会話をしてました。

ここで第一部終了。A先生は客の女性の方一同と入口付近で写真を撮りご帰宅されました。いや、六本木に飲みに行かれました。
銭湯に行って怒られたエピソードもありましたが、どこで話したか覚えてません。
私にとっては「生きる伝説」であり神に限りなく近い存在。元気なうちに生で見れて嬉しかったです。あんなに絶好調じゃ長生きしてくれそうです。でも徹夜明けでゴルフはやめ…(以下略。