夕焼けロケットペンシル 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
- 作者: あさのゆきこ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: コミック
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どういう漫画かと言いますと、小学生女児が一生懸命頑張る漫画です。ビバ女児!(女児って何歳マデデスカ?)と、いうわけで女児の素晴らしさを伝えたいと思います。
表題にあるロケットペンシルは主人公であるサトミと母親の思い出の品です。
母親が出て行き、父親はやる気を無くした文房具屋さんの一人娘サトミ。ある日父親が文房具屋の立ち退きを決め、母親を引きずるサトミに母親との思い出(母に貰ったロケットペンシル)であるロケットペンシルを捨てるように言います。
それを受け入れ身辺整理をしてるサトミ。そんな時、一人の青年が夜中にトーンを求め文房具屋を訪れます(以前、青年は店を訪れ同様にトーンを買い、ロケットペンシルの話をしたことがある)。サトミは母親から貰ったロケットペンシルを青年に渡そうとします。
だけど、彼女は青年に説得され「母親を待つ場所=ロケットペンシル」を捨てずに、店を守ることを決めます。
こうして、サトミの物語が始まるのです。
勿論、「子供が文房具屋なんてできるわけがない」というファンタジーとリアリズムもおさえてあります(それがキモではないので、そこまで追求はされていませんが)
今回は紹介しませんが、この作品ではそんなサトミを支える「大人」がまた素敵なのです。その辺は是非作品を読んでいただければ、と思います。
それよりも私が言いたいのはランドセル! 女児がランドセルですよ! シリアスだけど女児ランドセル!…頭が痛くなった方は外をランニングして私と同じ様な気分になってください。
この作品では、サトミは年上の漫画家であり自分を文房具屋の店主=大人として認めてくれる男性に恋をします(漫画家のお兄さん)。
どことなく、しおやてるこ先生の『たまりば』が連想されます。まぁ、あれは手が届く恋愛だと思いますし、まったくベクトルは違うのですけど。
切ない恋愛への描写、子供でありつつ大人社会で活動する難しさ…、などリアリズムな部分もありますが私は女児の素晴らしさのみを伝えたいと思います。
水玉パンツのサッちゃん。
父親のエロサイトブクマを発見してしまうサッちゃん。
好きな人が年上のお姉さんとイチャイチャしてるのを見て冷たくなるサッちゃん。
なにより、この作品で私が一番好きなのは誰よりも大人であろうとしつつ、子供であるサッちゃんの純粋さなのです。それがお兄さんへの恋愛面になると切なくてしょうがない。
言いたいけど言えない…。
この甘酸っぱさ、切なさ。大好きです。これが小学生女児なのが素敵。
決して、叶うことのない恋であり、お兄さんは別の女性に好意を持っていることは明白なのです。サトミはその事実を知った時、どうなるのか、どう成長していくのか。父親をはじめ、サトミの行動で周りも変わってゆきます。それにより物語はどう発展、変化していくのか。非常に楽しみな作品です。
おまけ。父親特集
なにこれカッコいい。
なにこれカッコいい。
『惑星のさみだれ』の「私は無職だ」に匹敵する名台詞。
『私のおウチはHON屋さん』も似たようなベクトル(向こうは完全ギャグですが)にありますが、『夕焼けロケットペンシル』でサッちゃんの可愛さを知るべき。お薦めです!