この4コマが凄い!シリーズ「完結した『けいおん!』についてあらためて語ろう」

時代の申し子となったアニメでお馴染み、『けいおん!』が完結しました。

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (2) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (2) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (3) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (3) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

こう並べてみると分かりますが、凄いバランスが良いですね。時々、デザインがまったく統一されてない4コマもあるので…。デザイナーさんが良い仕事してます。
けいおん!』という漫画は凄い幸せな漫画だったと思います。4コマ漫画というのは非常に終わらせるのが難しい中、自然に終わらせることができたからです。
4コマ漫画の最終回といえば『あずまんが大王』よろしく「卒業」形式、もう一つは「日常が続く」形式、あともう一つは「突然恋愛が成立したり、物語動いて唐突に終わる」の三つです。
どうしても、「変わらない日常」を書いていくからこそ物語の終幕にいくのが難しい。『けいおん!』は「学生時代の終わり、別れ」を意識させつつ終幕しました。
しかし、4人全員の進学が同じであるため、別れが梓一人に集中してしまった嫌いはありますが。それもゆるゆるライフの『けいおん!』らしかったのではないか、と思います。
でも、和ちゃんとの別れ、さわちゃんとの別れがなかったのは如何かと思う。卒業なんて当事者達には通過点でしかないですけど。


卒業しても、ずっと友達なのです。この構図どこかで見ましたね。はい。


ヤマカムの山田さんが「4コマ漫画のアニメ化はぶつぎれ感がある」と呟いていました。
けいおん!のアニメはそれがないのは、けいおん!は4コマ漫画ではないからです。
4コマ漫画というと起承転結ですが、けいおん!は全てのコマが繋がっています。
「起承転転転転…」といっても良いぐらいです。だからオチが弱いんでしょうけどね。
けいおん!』は好きじゃない、と言う4コマファンが私の周りに多いのはその点が受け入れられない、オチの弱さに違和感を感じるからだと思います。
その分、キャラクターを愛でたくなる要素が多いから受け入れられてるのだろうなぁ、と。


それでは、最終巻から名場面を紹介して『けいおん!』を惜しみたいと思います。


案外知らない人も多かったりしますが、この曲が出来るエピソードも原作エピソード。「作詞ってかきふらいさんなん?」と思う方も多いのでは。この憂が風邪をひくエピソードは至極のエピソード。「唯と憂って良いですよね。私の嫁ですよね。うふふ。」と思わず言いたくなります。

青春を過ごしている、と思うコマ。


梓の言葉。この言葉の素晴らしいのは「○○です!」とか後輩言葉のあずにゃんのイメージからは離れている、梓の「自然な叫び」であること。私はこの最終回は数ある漫画の最終回の中でも名作だと思っています。



このモノローグは反則です。反則。唯の入部から梓の加入、そして卒業まで等身大につぶさに書かれ、ゆるいところはゆるく、しめるところはしめている、かきふらい先生の描写は素晴らしいと思う。けいおん!は時々、そんな神コマがあります。

4巻の代表的な神コマ。普段が緩い唯だからこそ、このコマが素敵なのです。


けいおん!』はゆるゆるでふわふわで適当でいい加減な青春を描いた名作でした。それをアニメが後押ししてくれて、原作もアニメも相乗的に良かったと思います。めいさく!
寂しいけれど、寂しいぐらいで終わるのが一番良いと思います。さよなら!