このキャラがすごい!! インパクトキャラ4コマといえばこれだ!

少し前にTL上に上がっていたので読みましたが、『4コマ漫画はキャラ付けをするのが苦手なジャンル?(http://togetter.com/li/88601) 』というまとめがありました。ちょっと、私の「4コマ観」とあまりにも異なる部分が多いので書かずにはいられません。あ、別に喧嘩したいわけではないんで。「こんな見方もあるよ」ぐらいな感じで。


これを読んでいて衝撃を受けたのは

萌え4コマってとことん「キャラ紹介」に向いてない媒体だと思う。正直、初見さんお断りの印象はぬぐえない。逆に言えばハードルが高く感じるのってそこなんだと思う。

という発言です。私は逆に「4コマ漫画ほど初見さんが入りやすい漫画はない。」と思っています。初めて読む4コマでも(一部ストーリー4コマ・恋愛4コマ系除く)キャラクター性が分かりやすいから初見でも入りやすいというのが利点ではないのでしょうか。柱にキャラ紹介があればなんとなく理解できると思います。面白ければその辺気にしないで殆ど読めますしね。理解する努力、というのも最低限漫画読みには要求されると思いますし。


ですが、そのキャラクター性が分かりやすい、という意見と真逆の意見が提示されているわけですが。

萌え4コマって「キャラが分かりづらい」って所に尽きる気がする。

インパクトのあるキャラを作れないから、東方に頼る人が多いのではないかという説。

萌え4コマってキャラクターが第一なのに、正直申して既読したはずのAチャンネルのキャラがどんなキャラなのかわからないんだよなあ。一発で忘れられないインパクトが必要なのに。

上のまとめでは太字の大字ですから強調したい部分、ある種の結論を提示しているわけです。…まぁ、別にAチャンネルのキャラが弱いとは思いますし、1,2回読めば分かりますが。言われれば、確かに言葉にしづらい部分はあるかもしれません。まぁ、例えばの話、「立ち読みで数回読んだだけで理解できるかなー」というと微妙かもしれませんが。
ただし、4コマ漫画というのは初見の第一印象で決まってしまうので、どれだけインパクトを残すか、という「キャラの強さ」というのは重要だと思います。と、いうわけで今回の特集は「このキャラがすごい!! インパクトキャラ4コマといえばこれだ!」をお送りします。…上の記事に対してなら、「きららの学園4コマを中心に取り上げて、キャラが強い4コマだってあるぜ!」とか今の4コマ誌についてとか書けばいいんでしょうけど、書きませんぜ。わぁい!


まじん☆プラナ (1) (まんがタイムKRコミックス)

まじん☆プラナ (1) (まんがタイムKRコミックス)

キャラのインパクト、キャラの多さなら最高峰。ランプから現れた魔神プラナが主人公の願いを叶えるというのが建前で進んでいく物語。主なキャラクターは「はらぺこつるぺた褐色魔神」「巨乳メガネツンデレ」「最強の変態型男友達」…そして凡庸ギャルゲ型主人公と誰もがインパクトを持っている。
この漫画はとにかくヒロイン候補の人外がわんさか出てくるが、その上でも主力ヒロインが決して埋もれない個性を持っている。徹底的なコメディ漫画としても素晴らしいものの、時折描かれる「人外であるが故の暮らしづらさ、その種族のルール」は読む者を引きつけ、コメディ4コマに終わらない暖かさがある。
となりのなにげさん 1 (まんがタイムコミックス)

となりのなにげさん 1 (まんがタイムコミックス)

「主人公の名前がタイトルの入っている4コマって強いよねー」という理論の元、名は体を表わすよろしくなにげさん。困ったときはそうなにげさん!コント的設定であり、どこから読んでも楽しめる金太郎飴。絵柄は簡素的であるものの、なにげさんは可愛らしい。一度読んだら忘れられないインパクトを持つ作品。
ひよわーるど (1) (バンブー・コミックス)

ひよわーるど (1) (バンブー・コミックス)

同作者の作品だが、こちらはとにかくひよわな学生の女の子が主人公。風が吹けば飛ばされるような超虚弱体質という設定は読めば忘れられない。タイトルからも分かるとおり「ひ弱」が全面に出ているものの、それ以外の普通の学生の様子もどこかコミカルで個人的にはなにげさんより好きだったりします。
とらぶるクリック!! (1) (まんがタイムKRコミックス)

とらぶるクリック!! (1) (まんがタイムKRコミックス)

触れた電化製品を爆発させてしまう女の子が主人公の学園ドラマ。触れただけで爆発するってどんな設定だよ!とつっこまざるをえない。よく言われる「典型的な女の子のみを中心とした学園4コマ」ですが、主人公が覚えたてのアスキーアートを連発したり、どこか歪で違和感あり。それでもキャラクターには個性とインパクトがあり、決して埋没することのない魅力ある作品。
P.S.すりーさん (GAME SIDE BOOKS)

P.S.すりーさん (GAME SIDE BOOKS)

ゲーム機擬人化4コマ。アイドルである「すりーさん」を中心にうぃーさん、はこまるさん等の生活を描く。4コマ誌ではないので掲載方式は特殊であるし同列では語れないかもしれませんが。アイドルの喜怒哀楽として読んでも面白いのではないかと思いますし、パロディでは終わらないドラマがあります。初期はPS3の状況が反映されて、悲哀あるネタが目立つが段々とコメディ4コマの要素を増して面白い。
ハルコビヨリ (1)

ハルコビヨリ (1)

最強の豪快女性ハルコと最高の受け苦労人やっさんの同棲生活を描く。ハルコのキャラクターは4コマ史上でも最強の破壊神。とにかくハルコとやっさんのバランスが良くて素晴らしい。どこから読んでも面白い名作。完結してますけど、誰もが
うちの大家族 (1)

うちの大家族 (1)

「大家族」キャラクターが多いのに誰一人埋没することなく一人一人に個性が強い。ファミリー漫画とはどれもそうだが、奇をえつらわないためどこから読んでも入りやすい。読んだのをきっかけにコミックスに入ってもらえばもっと好きになれる。そんな作品。
中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)

中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)

キャラクター一人一人にドラマがあり、それぞれのナレーションで描かれる特殊な4コマ。ドラマは閉鎖的であり入りづらい部分はあるが、読んでいくうちに一人一人に引き込まれていく。あなたの好きなキャラクターがきっといます…。
東京! 1 (まんがタイムコミックス)

東京! 1 (まんがタイムコミックス)

キャラクターがとにかく立っている。普通の学園漫画ではありえないぐらいキャラが濃いのに4コマ漫画として違和感なく成立しているのが凄い。キャラクターメイン3人の軸がブレてないので、途中から読んだとしても置いてけぼりにならない。舞台背景、キャラクターとしても素晴らしい4コマ。ゲーム『Fate』の番外的な作品だが、Fateでメインとされてるようなキャラクターはろくに出てこない。モブキャラの3人組を膨らましてこんな個性ある漫画が生まれたのは作者の遊び心に感服せざるをえない。メイン3人のバランスがよく、とにかくアホすぎるという感想に尽きる。Fateを知らないことに微塵と問題がない作品。



実際、きらら系の4コマでは「無個性な学園女性4コマ」が多いのは事実です。ですが、それだけでない素敵な個性ある4コマも多いです。なんにしても、キャラクターの個性が強い作品を取り上げましたが他にも沢山あります。キャラクターの個性は重要ですが、それだけに括れない作品の魅力は沢山あります。例えば『ゆゆ式』なんかは雰囲気が個性的で、それにキャラクターがついて行ってるという形ですし、『家族ゲーム』なんかはキャラクターは凡庸的でり、群像劇のような背景を持ちつつ濃厚な世界を描いています。
私に限った話ですが、一番第一印象で重要なのは絵柄であり、その次にネタの種類だと思うんです。4コマ漫画はちょっと雑誌を読んでいて、「あれこれいいかも?」ぐらいに読んで気に入るだけで、次に進める部分があるので。極端な話一つのネタが気に入れば好きになれますものね。4コマ誌をちょっと手に取るだけで世界は広がります。東方に走るだけじゃなくてもね!




余談。

大衆受けする看板作品が無いのは致命的かもしれない。結局ジャンプが今でも強いのはなんだかんだで看板がちゃんと存在してるからというのは否定出来ないだろう。

けいおん!』じゃ足りなかったかな…。ジャンプみたいな看板って4コマ誌にジャンプみたいなの(一般紙みたいな大々的な「売り」)を期待するのが間違ってると思う。4コマ誌の作家なんてマイナーだし、単行本のペースも遅いから「アニメ化!」→「わー!!」という売り出し方しかないのが現状。正直、キャラクター以外の批判されている問題は「4コマ誌全体の問題」であり、とても解決できる問題ではないと思っていたり。アニメと4コマ漫画を一緒にして語るのもムチャなんですけど。