夢中になっている女の子は魅力的すぎる! 『℃りけい。』1巻

℃りけい。 1 (ヤングジャンプコミックス)

℃りけい。 1 (ヤングジャンプコミックス)

ウルトラジャンプで連載中『℃りけい。』の1巻が発売になりました。タイトルの由来は「度がつく理系バカ」であり、とある高校の物理部の様子を描いたコメディです。最近の流行よろしく(過去からずっとそうかも)可愛い女子高生が中心となっています「あー、またそういう漫画ね。萌え厨乙wwww」と思った方はちょっとそのご飯茶碗を置いてください。確かにこの漫画は女子高生が中心ではありますが、扱う題材は車の修理、家電製品の修理、ジャンク品あさり…であるため「ちょっと待ったー!!」と言わざるをえません。


この漫画の面白い部分はたとえマニアックな題材を取り上げていたとしても、当人達の感覚からすれば普通で決してズレない点が面白いのです。一般人寄りのキャラクターがつっこみはいれてくれますが、そのマニアックな部分を最後までやり通してくれるブレない点が読んでいて心地よいです。
例えば主人公の一人である伊藤トノエ。新入生へ向けての部活紹介でやる内容を話し合う中、「エアレシーバー」「ネイル」等意見が出るもののまとまりません。この時点で「どんな発表なのかさっぱり分からないぜ!」と思っている読者もいるわけですが、それは置いておきます(※私は置いてかれました)。そこで伊藤さんは

「ここは部長の私が一枚脱ぎますかっ! 実はちゃーんと考えてあるんですよ。」

と、宣言します。そして、彼女がやったのは…。

ハンダゴテでした。「ちょっと待てぇぇぇ!!」と。絵的に地味すぎるだろ、と。しかし、伊藤さんから言わせると、

「だって「ハンダ」って基本じゃんさー。見栄えもするし…」

まぁ、作中の中でも「しねーよ!!」とツッコミを入れられているわけですが。まぁ、こんな感じでおかしなことを疑問を持たずに普通にするというイズムは個人的には好みです。この漫画に出てくるキャラクター達は普通の人が見れば「変」に感じることも気にせずにできる。
部員の一人である聖さんは、普段は剣道部を掛け持ちして1年生ながら部活動紹介で演技をしたりと期待のエース。ですけど、物理部に所属するぐらいなんで彼女もジャンク漁りに目を輝かせる子です。自作PC作りが趣味であるため、ジャンクショップ巡りをしたりもします。そのエピソードが描かれますが、

その時の笑顔が心から可愛い。長身でボーイッシュな女の子に興味がない私でも「ああ、聖さん可愛いよぉぉ!」と思うぐらいに可愛いです。普段はキリッとした子なんですけど、ジャンクに目を輝かせたり頬を緩ませたりするのはマジ可愛い


変と思われることを気にしない、というのは『げんしけん』で描かれた笹原の「俺には覚悟が足りない」というオタクイズムに繋がる部分があると思います。げんしけんはリアル志向のファンタジーであり、この漫画は完全なフィクションですので比較するものではないと思いますが、通じる部分はあると思うのです。
普通の人が変に思うことでも。夢中になっている人は輝いていますし、楽しそうです。先ほど紹介した「ショップを巡る聖さん」や「ジャンク漁りに夢中になる部員達」…この『℃りけい。』の面々からはそのオーラがプンプンして読んでいて楽しい。ただし、理系知識の部分はさっぱりだけどな!!


「理系部分はさっぱりだけどな!」と書きましたが、全てがマニアックなわけではなく、なんとなく理解することはできます。随所に「理系っぽい」が詰まっているのが素敵。学園の王道「身体測定」での体重に悩む女の子にも理系的な理詰めで描いているから面白いです。ビーカーでラーメン作るのとか理系っぽくね?とか!

体重計の磁石部分を操作するためにソックスに磁石を仕込んだゴト師ソックスを作ったり、
全ての装飾物の重力を計算して挑んだり。こう、普通の感覚の中に異端な部分を加えると方向性が指し示されていて分かりやすいですし、なにより彼女のキャラクター性がはっきりと見えます。


そして、この作品の魅力の一つにとにかく絵がムチムチしていてエロいよ!! サービスカットが多いよ!というのがあります。ええ、私はそういう漫画が大好きですよ。まぁ、本編でその色気が生かされることは殆どないわけですが。メインに男が一人でもいれば…。でも、男がいないからこのバランスがあるのだろーな、と。

カット一つ一つに色気があります。こう、アホで色気がない女の子にエロティズムがある、っていうのは個人的にギャップとして凄い好み。「この子アホだけど実は良い体してるのよ」的な。ギャップ萌えです(頭悪い)

白衣体操着! ええ、男のロマンですよ男のロマン。こんな服装になった原因が体中にみそ汁をかけられたでなければもっと良いです。

※イメージ映像です。ええ、イメージ映像ですとも。なんか、こう堂々とサービスシーンを想像で入れてくれると清々しいですね。このイメージ映像が汚れた壁は削ればいいという理論をお風呂で肌を琢磨するのに喩えていることでなければもっと清々しいです。


やっぱり思うのは「夢中になっている女の子は可愛い」ということです。何回かこのブログを読んでいる方はお気づきでしょうが、私の評価基準の一つは「可愛いか可愛くないか」です。「可愛いは正義!!」ですよ。久々に非4コマ以外を取り上げましたが、「℃りけい。」お薦めです。バリバリ文系の私が読んでも面白い漫画でした。制服白衣ってイイヨネ!!