ギャグ萌え漫画の金字塔。ゆるふわギャグ漫画『ぱにぽに』の今

梅雨で蒸し暑い今日この頃。お知らせとしてはトップページの題字を募集してます。ちょっとトップが殺風景だなぁ、と思いまして。誰か作ってください! 「まぁ、募集してもこないだろうけどな! すたこらさっさだぜ!」というお話。と、いうわけで(どんなわけだ。)今回は先日16巻が発売された『ぱにぽに』を改めて語りたいと思います。

天才少女・ベッキーと桃月学園の生徒達のゆかいな日常を描く。

シャフト制作でセンセーショナルなアニメ化から5年。もうアニメ化から5年も経過していることに驚きますが「ギャグ漫画で、しかも月刊で16巻ってすげぇぇぇ! もっと評価されるべきかもしれない。」と改めて思います。ショートショートのギャグ漫画でここまで長期連載というのもなかなか異例ではないでしょうか。


進化という変化がそこにはある
長期連載である以上、熱心なファン以外は置いてけぼりをくらってる方も多いと思います。「アニメ化以降もなにも変わらないんでしょ?」と思われる方が殆どだと思います。基本的に『ぱにぽに』という作品はショートショートですので、ストーリーに大きな変化はありません。むしろアニメの方が時代劇等パラレルな世界観を炸裂させていました。ただ、ぱにぽには確実に変化を遂げている作品です。
まず、当然ながら絵柄も変化しています。「まぁ、そりゃ初期からは変わるでしょ。」というだけの話でなく、個人的に氷川へきる先生の絵柄は初期、中期、中中期、現在と4回程度は絵が徐々に変化していると思います。以外に思われる方もいるかもしれませんが、"アニメ化し安定した頃"からも大分絵が変化しています。


(左・5巻、右・14巻)
5巻の画風と比べて一番変化したのは顔の描き方でしょうか。どこか歪さがあった顔の形がスマートになった印象があります。輪郭のラインが丸っぽくなって可愛さが増しました。以前がマイナスだったというわけではないですが、印象はかなり変わります。体のラインも以前は「顔と体の大きさがなんかミスマッチ?」的印象が時々あったのが解消されています。本当に体のラインを描くのがレベルアップしたなぁと思います。エロい!
そして、『ぱにぽに』の中で最も印象が変わったのは瞳の描き方です。参考画像のとおりですが、角度によってシンプルな瞳の書き方から立体的…とでもいうのか、線が書き足されるようになりました。目だけでなく細部にも変化があり、巻数が進むごとに同じキャラクターでも若干印象が変わっています。もちろん、プラスの方向で。
こう、ぱにぽにが「古い萌え漫画」みたいな印象をうけないのは、飽きさせないトリッキーなストーリー構成とギャグというのもあるのでしょうが、絵柄が「今、読者が好きな絵柄」に変化しているからではないでしょうか。その変化という名の進化を携えているからこそ『ぱにぽに』は新しいと思うのです。


変わるもの、変わらないもの
絵もそうですが、『ぱにぽに』の魅力は「つねに変わらない部分」と「つねに変化する部分」を兼ね備えているところだと思います。キャラクター、ストーリーテイスト、根本な部分ではなんも変わらないものの、既視感のあるような話を書かない。その二つがあるから安心かつ新鮮に読めます。つねにベッキーとC組が傍にいるという安心感。

ストーリーは中編とも呼べるイベントを随所に挟んできます。「学園漫画定番のイベント以外でよくこんなイベント作るなぁ。」というぐらいに。缶蹴り大会、姫子だらけ、もしも○○だったら、、無人島に行く、委員長委員会、突然猫になる猫一条さん、番長編…その飽きさせない中編がぱにぽにを支えているのだと思います。
ただ、長期連載の弱点である「これ誰?」感は解消できないので愛着が薄い方には辛いかもしれません。ただ、こんだけキャラクターが膨れあがりつつも、メインからサブまで忘れ去られたキャラクターが殆どいないというのは素晴らしい。単行本で1回出番があればいいレベルの背景レベルキャラクターも中にはいますが…。


ぱにぽに』は基本ショートショートのギャグ漫画ですが、時々シリアスな展開を挟んできます。そのシリアス展開は過去から伏線を随所に挟んでいたりしますが(無人で突っ込んでくるトラック、博士の奴らが狙ってくる宣言、ベッキーの過去等etc)そのギャグで使っていたシリアスネタですが、ここ最近はびっくりするほど「真剣なネタ」「シリアス展開」として使っています。

それが13巻収録の『ぱにぽに?』編であり、16巻収録の『ベッキーティーチャーオブザイヤー受賞記念! グランドホテルテロ事件危機一髪!』です。13巻では「ベッキーがいないifのパラレルワールド」が描かれています。この『ぱにぽに?』編は1巻で完結する練って作られたifストーリーで「じゃあ、ベッキーはどこに?」的ミステリーサスペンスコメディとして読み応えがあります。オチのあまりにも強引なたたみ方はともかくな! まぁ、それも『ぱにぽに』らしいですけど。


そのストーリー漫画の中でもキャラクターの「カッコいい」を理解して演出してくれているので、16巻のグランドホテル編といい話としては「正直置いてけぼりカナ?」「説明不足でよく分からないなー。」という部分もあるのですが、その魅せ方の演出だけでも満足できます。へっきーの魅力は絵で魅せてくれるのが強い! それから、ストーリーばかりだと食傷気味になる部分があるものの、ストーリー編が終わればショートギャグ編に戻るのでバランスが良いです。


ぱにぽに』に足りないもの?

体操着、メイド服、スクール水着、コスプレ…。ぱにぽに』にはサービス回とも呼べる回を随所に挟んできます。その読者サービスは素晴らしいと思います。ただ、足りないものがあります。それはパンツがない…。 ぱにぽにの究極的な弱点は下着姿のサービスカットがないのが惜しいです。
映研の来栖柚子が演劇に出演した際、ドジラの中に入ってた際の図解も下着姿ではなく体操着でした。しかも汗もかいてないというフェチズムの欠損に「絶望した!と叫ばざるをえませんでした。結論的に『ぱにぽに』に足りないのはチラリズムであると断言しましょう。「いや、断言すんなよ。」と思われる方もいるかもしれませんが、これが世界の法則です。フェチズムはあるけどチラリズムがないんだっ!
幼女であるベッキーチラリズムとか下着姿を求めるなんてお前はどんな外道だとツッコミをいただくかもしれませんが、大丈夫だ問題ないと宣言しておきます。いや、だって見たいものは見たい!と叫ばざるをえない。いや、見たいのはベッキーだけじゃないよ。うん、ただの変態だね。安西先生、パンツが見たいです…。


と、いうわけで『ぱにぽに』語りでした。「なんで今更?」感もあるかもしれませんが、知名度の割にぱにぽにって語られないよなぁ、と思いまして。冒頭でも書いたとおり、長期連載のうえにギャグ漫画だと基本語りづらいですしね。だからこそ語りたいなーと思ったわけです。改めて読むにはちょっとハードルが高いかもしれませんが、10巻ぐらいからでも余裕で読めると思うので読んでみてはいかがかな、と思います。


ぱにぽに?』パラレル編。新しいぱにぽにワールド。


パラレルの鬱憤を晴らすかのようにショートギャグ!


これぞ『ぱにぽに』的ショートギャグ満載。家族対抗ソフトボール大会!