あの頃のSNKが好き!「ゲーム好きな人もそうでない人も。」4コマ漫画『えすえぬ家の人々』

近況。お笑い芸人の天津向さんが主催しているイベント「4コマトークvol.7」に行って来ました。仕事の都合で過去6回は参戦することができなかったのですが、今回ようやく初参戦。ゲストのÖYSTERさんのトークをタップリ聞いてきました。OYSTERさんといえば『男爵校長』『光の大社員』等の人気連載を持つ作家さん。イベントの詳細は省きますが、抽選会でÖYSTERさんの色紙をゲットしてきました。あと20名限定の生書きイラスト入り名刺もゲット!

このイベントについてTwitterで報告したら「オイスターさんですか?」という反応がチラホラ…。成年漫画家と4コマ漫画家、どちらの知名度が高いのかは深く考えてませんが、ÖYSTERさんを知らない方が多いのは嘆かわしい。と、いうわけで近いうちにÖYSTER特集をやることにします。『男爵校長High!』の最終巻が出たらやろうと思ってたんですけどね!

両方とも輝戸くん。なんか縁でもあるのか。


4コマ漫画はタイトルすら知られていないケースが多いので、記事の題名だけで釣るのが難しい。だから、ちょっと題名をつけるのに悩んだりします。実際、今回の記事は「はおうしょうこうけんを使わざるを得ない!!」をタイトルに入れたかったのですが、この必殺技を知らない人は「?」となりますよね。
『男でも読める少女漫画』のいづきゅんさんぐらいシンプルで分かりやすいタイトルをつけたいものですね。まぁ、人生は一生勉強、タイトルも勉強ということで。さて、今回は『えすえぬ家の人々』です。

えむぶいえすこ、通称ねおぢおさんはその昔、舞台で活躍した小さな大女優さん。マネージャーのあて菜さんやゆかいな仲間達と一緒にまったりゆるゆるな生活を送る日々。細かいことは気にしない! ねお子とぢお子もあるでよ!!

「擬人化4コマ」だけど…
Ika先生については、以前書いた記事である「ゲームハード擬人化4コマ漫画! ゲームと女児への愛がいっぱい詰まった『P.S.すりーさん』」(http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20110305#p1)を参照していただきたいと思いますが、改めて説明するとIka先生はゲーム関連と女児を主題にしたネタを得意とする4コマ漫画家さんです。「女児を主題にした」とか自然に書きましたが、そんな漫画家は他に聞いたことはありません
今作はタイトル及びキャラクターの名前からも分かるとおりSNKを中心とした擬人化4コマとなっています。確かにゲームネタは随所に織り交ぜてくるのですが、Ika漫画の真骨頂でもある「中身のない勢いだけのギャグ、掛け合い」が絶好調ですのでゲーム知識は皆無でも全く問題ない漫画になっています。と、いうか私はファミコンスーファミ→PSという王道を通り、ゲーセンにあまり行かなかった人なので、あまりねおぢおさん関係にあまり造形が深くないです。それでも、ゲーム好きではあるのである程度知識はありますが今作で触れられているゲームネタはどちらかというとマニアックすぎてよく分からないというのが実情です。

ですが、単行本に収録されているゲームネタには解説もついており、ゲームネタ自体もおもしろおかしく書かれているため「分かる人には分かる。分からない人には分からないでも大丈夫。」ぐらいのテイストで読めるため、前述したとおりゲームネタについては読むのに支障はありません。ぶっちゃけ登場キャラの元ネタすらいまだに一部分かんないですし。だって、ねおぢおさん一人とったって、業務用ネオジオ:MVSですもん。そんな正式名称知らない! あ、でも分かりやすい名前のキャラもいます。その名はテーブルきょうたいさん、喫茶店に行くと頭の上に飲み物を乗せられるキャラもいるよ! 分かりやすい、やったねたえちゃん!
Ikaさんの漫画は確かに擬人化漫画なのですが、擬人化と括ってしまうと逆に勿体ないと私は思っています。Ikaさんの漫画に限らず、どうしても擬人化と言われると「擬人化漫画」と認識してしまいます。それだけで「ゲーム擬人化? 私ゲームとかよく分からないし…。」とハードルを上げてしまう人も多いと思いますが、Ikaさんの漫画はゲームを知らなくても楽しめます。だから「擬人化!」をアピールする必要はあまりない…と思うんですけどね。元ネタを知ってればもっと面白いですけど。



ねおぢおさんとあて菜さん
姉妹作品であるすりーさんは典型的ないい子なのですが、それと比べるとねおぢおさんは非常に子供です。その子供が故の自由奔放さが、作品の自由度を上げていると思います。一応ねおぢおさんはアイドルなのですが、殆どアイドルらしいことはしていません。たまにステージをこなしていますが、大体は遊んでるか、物食ってるか、あて菜さんにビルドアッパーしたりはおうしょうこうけんしたりしています。
このねおぢおさんですが、実は非常に複雑なお人。四重人格だったり、一人暮らしだったり、セーラー服でないとあて菜さんを認識できなかったり。作中では四重人格である理由は幼少時代から地方営業を重ねてきたことが原因であるのではないか、とあて菜さんが語っている等、複雑な事情があります。あて菜さんをセーラー服でないと認識できない…も四重人格同様NEODEOの仕様的ギャグと思われますが、なにか重大な秘密に繋がっているのではないかと思い気が気でない現状。

ねおぢおさんも普段は楽しそうですが、辛いことがあるとツンデレなねおぢおさん、通称ツンぢおさんに変わるところを見るに今だに心に闇を抱えているようです。作品的にねおぢおさんの闇が完全に晴れるというエピソードはないのでしょうが、ねおぢおさんが多重人格の闇から解放されるといいなぁ…と思います。ま、ねおぢおさんにはあて菜さんがいるから良いんですけどね! あて菜さんはねおぢおさんの嫁! 私の嫁でも問題はないけどね!
Ika作品における幼児キャラというのはPCえんぢんさんやふぁみこんおばさまがいるのですが、彼女たちは人の親なので精神的に成熟してるのですよね。PCえんぢんさんも普段は「トイレどこですかー」とか「もれちゃいますー」とか言ってるけど、親として立派な一面がありますし。だからねおぢおさんの成長も見てみたい気がします。あて菜さんがいい年なのにセーラー服を着ているという闇から解放されるために頑張ってほしいです。あて菜さん何歳なの?とか書いたらサラダボールされちゃうね…。

こう、ギャグ漫画でしんみりした話があると間違いなく名作なんですよね。「世紀末リーダー伝たけし!」のサンタおじさんの回とか名作だったじゃないですか。多くを語るのは避けますけど、そのツンデレのねおぢおさんの回、12月10日のクリスマスパーティ回、あて菜さんのねおぢおさんの両親への報告レポート回はしんみりする部分がありつつも名作です。是非読んでほしいっっ。


自由度高いよIka先生

Ikaさんの代表作に「れげーさん」というレゲーを愛する姉妹がただゲームの話をするだけという名作4コマがあります。この単行本に収録されている「迷探偵 ねお子とぢお子」はれげーさんを彷彿させます。この作品はアルカディアの別枠に収録されていた4コマですが、毎回お題を出され、その謎を解き明かす漫画になっています。こう、女児がただウダウダするだけというのはIka先生のまさに真骨頂! もはや安心すら覚えます。わざわざ表題まで作ったのは、Ikaさんは4コマ漫画の常識を打ち砕いていくよね!!と、いう話をしようと思ったわけで。もはや自由度がハンパない。テーマが「単行本」の回には、単行本の枠外に攻略記事を書いたりするし。前述したテーブルきょうたいさんのエピソードなんて頭に飲み物やコインを載せられる筐体のエピソードを擬人化で再現した凄まじいエピソードですし…。なんか、こう常識的なハードルを飛び越えてゆかいな女児を書いてくれるから私は好きなんでしょうね。ワーオ!


と、いうわけで個人的な趣味を全面に出した更新でした。ああ、いつもそうですね。では、また次回!