DANZEN! ふたりはでこぼこ『原鮎美 / でこぼこガーリッシュ』

アイドル熱が上がっています。まぁ、アイドルヲタ歴はこれでも長いんですけど。最近はエビ中にハマりますますアイドル熱が加速していたり。エビ中のミニライブに参加した際には9年ぶりに握手会にも参加しました。9年ぶりとか怖い怖い! ガチで怖い!! 歳月人を待たず役立たずとはよく言ったもの。
最近はAKB東京ドームコンサートに参加したり、アイドル乱舞に行ったり、色々現場活動もしています。最近は「4コマレビューサイトとして頑張る」という目標でやってきましたので、4コマレビュー関連しか書いてませんでしたが、これからは以前のようなライブレポなんかも載せるかも。レビューはレビューで書くけどね。よーろしくね。


今回はFellows!で連載中の『でこぼこガーリッシュ』を特集。この漫画は本誌で読んで以来大好きだったんですけど、実は単行本化を見逃していました。同作者の別作品が単行本されていたので、この作品の単行本化を心待ちにしていただけに乗り遅れた感が悔しい。ただ、気づかなかったのはあまり話題になっていなかったのもあると思います。それだけに、私が書かないと!という欲求も久々に沸いてきてるわけで。まぁ、以前に書いたことあるかもしれませんけど、なんで4コマレビューサイトやってるかというと「こんな面白いのにみんなが書かないなら私が書くよ。」から来てるわけでね。

期待の新鋭・原鮎美が描く、女どうしの友情、友情、そして友情の物語……! 身長が高すぎるせいで、いつも男性だと誤解される織子(おりこ)。身長が低すぎるせいで、小学生だと思われちゃうナッツン。そんな、でこぼこなふたりが営んでいく、乙女心(ガーリッシュ)に満ちた女子大生ライフ。

もうタイトルの時点で勝ちですよね。そう思います。


この絵柄がスゴい!
4コマ漫画は男性作家以上に女性作家が多いです。ですが、ファミリー系であれ萌え系であれ、少女漫画やBL系で見られるような絵柄で活躍されている方は少ないです。中にはそういう絵柄で書かれている方もいますが、どうにも可愛げがないように感じる。やっぱり等身が高い絵柄の人に可愛さを要求するのは難しいのかもしれませんが。
そんな考えもよぎる中、原鮎美さんは女性作家特有の繊細さを持ちつつデフォルメで崩すことなく男はカッコいい。そして、女の子が凄い可愛い。耽美系でカッコいい織子を描きつつ、絵柄を崩すことなく天然幼女であるナッツンが凄く可愛く描れていることに感動を覚えます。ナッツン可愛いよナッツン。合法だよ合法。
繊細な絵柄の一方で、Fellows!作家特有の泥臭さみたいのも兼ね備えていたり。Fellows!の作家はみんな書いてるテーマもコンセプトも全然違うはずなのに、編集の影響なのかすぐに「Fellows」的だと思いますよね。『ヒナまつり』も『星屑ニーナ』も全然違う漫画だけどスゴイFellows!的ですもんね。この作品も例外ではなく、どこかFellows的。
4コマ誌でもないのにこれだけ完成された4コマが読めるのはその「Fellows的」の影響もあるのではないか、と思う次第。完成された作品ではあるものの、どこか4コマ誌で作られた4コマとは違う気がします。ああ、ちなみに同雑誌で連載中の4コマ漫画『ふうらい姉妹』はこの作品の対極にいます。でも、あれはあれでFellows的。スゴい。


私がこの作品が好きな理由
この作品の魅力はなんだろう、と考えると「可愛らしさ」なんですよね。可愛らしさって書くとちょっと陳腐に感じられますけど。絵柄的な意味ではなくて、キャラクター達がスゴイ可愛い。ナッツンの天真爛漫でちょっと抜けてるところ、織子のカッコいいけどそれを理解はしてなくて抜けてるところ。

織子とナッツンの友達以上恋人未満の関係性がスゴイ心地よい。女同士で友達以上に仲良しなんですけど、百合百合してないフランクな付き合い。こう露骨に表現されないけど、友達以上の関係で繋がってる百合はなかなか心地良い。どちらかというと、昨今の4コマは「ライト百合」な関係を露骨に表現しちゃってると思うんですよね。百合といえば百合だし、違うといえば違う、ぐらいの関係って傷つかないからいいですよんね。大学生という年齢での関係性も影響してるのかもしれませんが。
他のキャラクターが織子にトキめいているのに特別ナッツンがトキめかないのも2人の関係性を象徴しているようで素敵。2人がいるのは特別じゃなくて、当然で。でも、ナッツンも時々不意に織子にトキめいちゃったりして…。織子もナッツンが大好きで時々イジワルしちゃって…。あー、もう! この2人好きだなぁ!! コノヤロウ!!

ナッツン、織子以外にも変態のニノ先輩、やさぐれてる岬先輩等々魅力的なキャラクターが漫画に花を添えてくれます。なにより、物語終盤に登場する花紬さんがスゴイ面白いキャラクターで衝撃的でした。なんでもかんでも百合妄想やらBL妄想やらに拾遺の人を巻き込んでは鼻血を出すダメな人なんですけど、小さく狭かった世界観を広げてくれるスゴイ魅力的なキャラクター。これからのこの作品を盛り上げてくれるキャラクターだと思います。次の巻が出るのは何年後か分かりませんが、期待していますっ!


個人的に大学生漫画ってスゴい好きなんですよね。大学生の遊んでる感じがするグダグダ感が大好き。ハチクロげんしけん、と1年から3年ぐらいまでのゆるい感じが読んでいて楽しい。この作品も普通にバイトして、適当なサークル入って、遊んで…というノスタルジー感が良いですね。ニノ先輩みたいなめちゃくちゃな人がいて、やさぐれてる岬さんがいて。
ところで、原鮎美先生は調べてもどんな漫画家さんなのか全然分からないんですよね。今時公式もTwiiterも全く情報が出てこない作家さんも珍しいのではないでしょうか。個人的にはハチクロ羽海野チカ先生と近い匂いを感じていて、凄い高いポテンシャルがある作家さんだと思います。本格的なストーリー漫画はまだ書いてないので是非とも追っていきたいところ! 


毎回お薦めです!の気持ちで書いてますが、今回はいつもに増して大好きな作品。可愛くて優しい作品なので心からお薦めしたいと思います。ナッツン大好きー。

この2人の信頼関係はスゴイ暖かい。スゴイ優しい顔をした織子さん。可愛い。