そうだ、鎌倉へ行こう。『さえずり少女、しんしん鎌倉』

ひゃっはー!! 更新する気があります!! 何年かぶりの連続更新ですよ!! 凄い!! 私にしては凄い!!
と、いうわけで今回は『さえずり少女、しんしん鎌倉』をご紹介。

大好きなおじいちゃんから話を聞いて、
ずーっと憧れていた鎌倉に一人、
遠いフランスから留学に来たコズリちゃん。
元気いっぱいブロンド美少女はさっそくクラスの人気者!
歴史ある古都での毎日は新しい発見の連続!
そこに、あまずっぱい初恋の予感も加わって…。
ドキドキがたくさんのハートフルダイアリー、読んでみる?

ファミリー誌連載。でも、凄い萌え4コマ的。むしろ少女4コマ的な絵柄かも。



きんいろモザイクとは関係ない
おそらく、ブロンド美少女という設定から『きんいろモザイク』を想像する方も多いと思います。現に、非常にベクトルが似通った作品です。まぁ、私の勝手なイメージ含めてですが『きんいろモザイク』は全体的な雰囲気がファンタジックな印象を受けるのです。基本的に美少女のいる空間に更にブロンド美少女とかいるから、作品全体にふわふわした雰囲気があるのですよね。きんいろモザイクはファンタジック4コマ!!
一方、『さえずり少女』の方はというと「鎌倉」を強く意識していて、舞台背景等リアルに作りこまれている印象をうけます。コズリや静が鎌倉の色々な場所を巡る中で、「ここはこんな場所なのかな…。」と実際の鎌倉を想像しリアルに感じることができます。鎌倉なんて数えるほどしか行ったことないんですけどね。
多分4コマ好きならこの2作品を結び付けようとしてしまうのではないか、と思いあえて話題に出しましたが、この2作品からは全く違った印象を受けます。あまり意識する必要はないかな、と。ここで「なにが似てないか」をこくこくと語るつもりはないですが。まぁ、きんモザ好きの方が読んでも楽しめると思うので、そういう切っ掛けもありとは思います。絵柄でいえば十分萌え4コマ的ですし、コズリちゃんかぁいいし。


素敵だからこそ…
萌え系の4コマにはありがちですが「高校生」と呼ぶには肉体的にも精神的にもコズリの存在は幼く描かれています。小学生、と言われたら小学生にしか見えません。ただ、それには「留学生」という「日本人じゃない」という部分が上手く働いていて「幼い=純真=素直」みたいな構図で「日本語の知識に拙いコズリが些細な日本のこと、友達のことに感動する」のが受け入れやすくなってるんですよね。

まぁ、小学生の女児でも良かったと思うけどね! そうすると日本語の猛勉強の辺りが説明つかなくなるなぁ、とか静が合法を無視したハードなロリコンになっちゃうなぁ、とか色々矛盾点が出来てきてしまうのでこれでいいんでしょうけど。

コズリの視線から「日本っていいなぁ。日常って素敵だなぁ。」と当たり前のことを思い出させてくれる。どこまでが狙いなのか分かりませんが、キャラクター作り及びに作品の雰囲気作りが半端なく上手いなぁ、と。あらゆる点で「受け入れやすい雰囲気」が完成しているから、強引である点が少なく、違和感なく読むことができます。コズリのクラスメイト及びコズリ含めて半端なく「ボケ思考」なんですけど、キャラクターが自然なので読みやすいなー、と。決して出番が多いわけではありませんがクラスメイトをはじめ先生や静さんの家族等出番がさほど多くない割に非常にキャラがたっているのも注目です。
とにかく、この作品は勿体ない。何故1巻完結なのだろう。もっとコズリが日本で暮らして色々な風景を見る姿を読みたかった。もっとコズリがクラスメイトと遊んでる姿が見たかった。静とラブラブチュッチュしていく展開が見たかった…。と、言い出せばきりがありません。とにかくも、全ての展開を消化するために早足で駆け抜けていく展開は残念の一言。これを何巻も通してやってほしかったなぁ、と思います。
1巻完結だから残念、というのは勿論ありますが、1巻完結だからこその美しさもあります。コズリの日常は続いていくのだろう、と。最終話、最後にこのコズリのモノローグで物語は完結します。


ゆっくり
ゆっくり
もっと沢山のものと
出会っていきたいです

そして、作者のあとがきでこう語られます。

コズリの日々はこれからも色々あったりなかったり
新しいことに出会ったりいつもどおりだったり
変わっていったりしながら続いていくのだと思います。


私は基本的に1巻完結は好きじゃありません。性分的に続きがないと愛着を持ちづらいんです。でも、時々1巻完結でも大切にしていきたい作品があります。この作品も、そんな素敵な作品だと思います。


それでは、また次回。