今、格闘ゲーム女子中学生が熱い!! 格闘ゲーム部4コマ『かくげいぶ!(Ika)』

ナマステー、八戸です。
「4コママンガのススメ」がZINさんの通販でも買えるとか、アキバBlogでも紹介されたとか色々ありますが私は元気です。まぁ、最近更新多いんで近況は短めに。

格闘ゲーム部「格芸部」の日常を描いた4コママンガ。ちびっ子だがエースのウメちゃん、部長のときと、読者モデルのマコ、露出狂のアレクなど、個性豊かな部員が揃う格芸部に、空手少女のさくらが間違って入部してくる。格ゲーマニアにはおなじみのザンギュラのスーパーウリアッ上ネタも満載だ。

Ikaさんの作品は発売毎に特集書いてたりして、実は今回で3回目だったりします。やっほー! らぶあんどぴーす!!
(MD部長りるなちゃん)http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20130124#p1
(えすえぬ家のひとびと)http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20110915#p1
(P.S.すりーさんhttp://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20110305#p1


過去のIka作品と違うところ

この作品は、一言で言えば「一見さんには読みづらい」作品だと思います。「格闘ゲーム部」という設定もそうですし、格ゲーパロディ、脈絡のない暴走ネタ、それらを許容できないと楽しむことはできないでしょう。ただ、その前提を置いたうえであれば、今作品は今までのIka作品の中では一番なじみやすいと思います。Ikaさんの作品はP.S.すりーさん、えすえぬ家のひとびと等々、ゲーム機擬人化4コマがメインでストーリー性があってオリジナルキャラの4コマ漫画単行本は過去にありませんでした。一応、『MD部長りるなちゃん』がオリジナル作品としてありますが、これは同人作品であり、ストーリー性もないので同列には考えられないと思います。
今までのIka作品は「元ネタ(主にゲーム)の背景にキャラクターが引っ張られる」というのが主でしたが、今作品は元ネタが存在しません。この作品はIka作品の中では特殊な作品で、珍しくブラック要素がほとんどありません。過去の作品の中では『P.S.すりーさん』や『えすえぬ家のひとびと』には根底に「悲哀」がありました。すりーさんは売れないハードに対しての悲哀、えすえぬ家は記憶や家庭環境に対しての悲哀。そのゲームに関する元ネタやらなんやらをストーリーのスパイスとしてお笑いコメディ4コマの中に自然な形で入れてくるのがIka作品の魅力ではありますが、この作品は今までの作品とは全く立ち位置が違う作品と言っていいでしょう。ブラック要素や元ネタがないので、Ikaさんの本質である「何も考えずに楽しめる唐突なギャグ」が最も発揮されてる感があります。その一方で、過去の作品よりも青春色が強く驚きの「まっとうな作品」です。まず格闘ゲーム部だし、ニコニコ生放送は出るし、中学生にしてはマニアックすぎるし、キャラクターは女児だし…ええ、まっとうな作品ですよ。Ikaさんの作品にしてはしごくまっとう。棒で叩いたりなんとなくスク水着たりしないし。



このキャラクターが魅力っ!!
この作品の中に「さくらのゲーマーとしての成長」という「格闘ゲーム初心者だが、天性の反射神経が開花しゲーマーとして成長していく」という要素がありますが、その要素以外の部分が王道ではなくて個人的に好きなんです。それだけ主人公以外のキャラクターが個性的で面白いということ。今までの作品だと、あくまで「主役」がいて「サブキャラ」がいて、でしたけど今作品は「部員全員が主役」みたいな気持ちで読めるのも大きいのかな、と。このサブキャラわくわく感は例えるなら近藤るるる先生の『ハイパーあんな』であんな以外が成長していく姿が好きなのに似てるかも。私がハイパーあんなで一番好きなのは霞ちゃんです…て、それは関係ない。4コマ漫画は基本「困る側困らさす側」の役割が比較的はっきりしてたと思うんですけど(Ikaさんの作品は特に)この作品に関してはその境界が比較的曖昧で新鮮なんですよね。役割が決まってるのも安心感がありますけど、個人的には役割が固定されないほうがわちゃわちゃ感があって好きだったりします。
と、いうわけで各キャラクターを語ってみたいと思います。個人的に一番好きなのはマコちゃん、次点はきぬちゃんでしょうか。多分マコちゃんが一番人気だと思います。多分違います。


瑞浪 さくら(みずなみ さくら)
主人公。空手有段者だったが故障で引退。空手部のマネージャーになるはずが格闘ゲーム部の部員に。反射神経に優れており格闘ゲームの才能がある。格ゲー初心者で目線が格ゲーライトユーザーにも優しい。天然キャラの女児で若干個性が薄いですが、あまりIka作品にいなかった女児で新鮮。格ゲーでコスプレするならまことがいいなぁと思います。


大曽根 秋音(おおぞね ときと)
格芸部部長で社長令嬢かつ基盤マニア。黒髪ロングというあたり需要高し。なんでもありキャラですが、時折やられキャラにもなるのが魅力的。アレクに殴られるとか隙があって可愛い。アルカナハートの冴姫さんのコスプレがいいです。


恵那 小梅(えな こうめ)
格芸部のエース。愛称ウメちゃん。自称140cmの、140cm未満ちびっこ女子。140cm以下の女児はメルヘンです。妖精です。ゲーマーとしてのウメちゃんと女児としてのウメちゃんにギャップがあって可愛い。私服のウメちゃんは本当にただの女児。そりゃ小学生ウメちゃん可愛いスレッドたちますわ。

アレクサンドラ(あれくさんどら)
外国人の両親をもつが、岐阜県生まれ岐阜県育ちの日本人。豪放で、格ゲーではパワー打撃キャラを好んで使う。Ika作品では珍しい普通におっぱいがあるキャラ。こういうバカキャラがエロいことにあうと大変エロいと思います。

この二人のパワーバランス好きです。



鶴舞 真心(つるま まこ)
いつもクールな格芸部の良心。部長の秋音とは幼馴染。基板の入れ替えから筐体のメンテまでこなす常識人。マコちゃんの存在がこの作品のキモだと思います。ストイックなウメちゃんがいて、もう一人常識人で冷静なマコちゃんがいるからバランスが取れてる感あります。他のキャラが結構女の子女の子してたりワチャワチャしてるので差別化も図れてますし。他作品にビジュアルそっくりなごーちゃんがいるのですけど、そのごーちゃんと全く性格が似通ってない部分も面白い。と、いうわけでマコちゃんが好きです。

中津川 絹(なかつがわ きぬ)
格芸部唯一の1年生。(他はみんな2年生)超が5つ付くブラコンで、兄と結婚するのだと信じている。兄はプロゲーマーだが、その兄を格ゲーで倒せば彼女と別れるという契約を結んでいるため兄を倒すために日夜格ゲーに励んでいる。正しい女児。きぬちゃんは「うまく髪を結べない」という設定があるのですが、その設定がさすがIkaさん!!と思わざるをえない。その不器用さが女児っぽいんですよねぇ。出番がなんか少ない気がします。

つーわけで、『かくげいぶ!』凄い好きな作品です。個人的にはストーリー的な部分よりただただ部室でワチャワチャやっててほしいな、と。色々伏線はあるのでゴールに向かって突き進んでいくんでしょうけど、ゴールに向かってったらぬるゲーマーのあの頃には戻れない感じがちょっとあるのですよね。げんしけん的なノリで。いや、まぁ、この6人なら永遠にワチャワチャしてる感じもありますけど。特にマコちゃんあたりは格ゲー関係ないレトロゲーとかひたすらやってそうなイメージありますし。
奔放でありつつもまとまっているのは、ベクトルを変えているのかは分かりませんが、他の作品とは作り方が違うのではないか、と感じます。他の作品は年齢設定がありつつもその年齢に当てはまらない言動や行動を感じる場面が多いので。「年相応(こんな格ゲーだのレトロゲーやる年相応があるか!というツッコミはさておき)」趣味に走りつつもちゃんと「学園4コマ」をしているのも興味深いです。ん、あぁ、教室とか出てこないけど。
こういう作品を読んじゃうと「Ikaさんの作品にはまだまだ可能性がある」って思うんですよね。どちらかというと「オリジナルは無個性」みたいなイメージがあったんで。こういう作品が書けるなら、ちょっとスパイスを効かせただけでもっと色々なオリジナル作品に広がるのではないかな、と。夢が広がりますね。勿論パロディも女児も全て含めてIkaさんの世界観ですけどね。


それでは、また次回。