作家さん語りシリーズ。いみぎむる『キミに幸アレ!!』から『サイトーくんは超能力者らしい』〜『この美術部には問題がある!!』まで。

最近は仕事と健康的に生きるのを優先してちょっと更新頻度が下がってますが、まぁ、あれですね。面白い作品があれば語るっていうあれ。このブログは基本的に「作品」単位で紹介してますけど、たまには作家さん括りでやろうかと。なんかタイトルがあったほうが分かりやすいでしょ、ってことでシリーズにしてみました。やることはいつもと同じですが。


今回は「いみぎむる特集」です。はい、完全に趣味です。いみぎむるさんはあまりご存じない方のほうが多いと思いますが、コミックガムで『君に幸アレ!!』(4コマ)『サイトーくんは超能力者らしい』(コメディ、連載中)、電撃マ王で『この美術部には問題がある!!』(コメディ、連載中)等々の作品経歴の方です。私はこの方の漫画が好きなので以前から特集したいなーと思ってて。結構「美術部」の紹介をレビュアーの方が書かれてて「私はずっと好きだったのー! 美術部しか読んでないくせにー!」(一部他の作品も読まれてる方もちゃんといますが)という小学生的嫉妬を全開にして今回の特集を書くに至りました。なんだこの理由は!

女子高生4コマ。アホで金持ちのミユと妄想癖凡人の茜らがお送りする学園4コマ。個性的なキャラクター、どこかシュールな雰囲気、時々あるブラックな要素、肉感的エロスとどこか「あずまんが大王」に近い雰囲気を感じる作品。もう4、5年近く前の作品ですが、今でも好きな作品です。特別なことはないですけど、キャラクターが可愛らしくどこかシュールな雰囲気が中毒性あり。非4コマ誌だから生まれるお約束にとらわれない「4コマ誌にはない雰囲気」が存分に発揮されていて面白い。ドラマもストーリーもないけど、読んでいて楽しい作品でした。とにかくミユがアホで残念な子でロリっ子で可愛らしいんですよー!! とにかく茜が残念なんですよー!! 残念な子ばっかりやないか!! でもスキスキスー。


『キミに幸アレ!!』連載終了からかなりの月日がたって『サイトーくんは超能力者らしい』の連載を開始しました。『君に幸アレ!!』の最終巻が出たのが2009年9月、2011年4月に『サイトーくん』の連載がはじまりました。正直な話、そのままフェードアウトしてしまうのではないか、と不安に思ってました。月刊連載のショート作家で連載終了から2年近く連載を開始する様子がなかったのですから、そりゃ不安にもなりますわ。

女子高生4コマ。『コミックガム』という掲載誌が原因か、ネットでもあまり話題にならないまま最終巻。最終回の前に表紙だったので非常に驚いたのですけどね。感想メールを出した際に聞きましたが、終わるのは決定事項で表紙だったそうです。開拓されつくしたジャンルではありましたが、クオリティは高いし面白かったのですけど。期待通りの行動をキャラクターがし、それでいてお約束通りにもならない非常に質が高い4コマ漫画でした。キャラクターが非常に良かった。次回作がコミックガムなのかは分かりませんが期待して楽しみにしたい所です。

このサイトが4コマレビューサイトになる以前に最終巻発売でレビューを書いていました。いやー、長く続けるもんですね☆ …まさか、これから1年半以上待たされるとは思ってもいませんでした。『君に幸アレ!!』は4年近く前の作品になりますが、オーソドックスな学園4コマでありつつも個性的でシュールな雰囲気の4コマ漫画でした。今読んでもあまり古臭さは感じないと思います。数年前の4コマでも当時の雰囲気を引きずってて古臭い感じになってしまっている4コマもある中で、この作品にはそれがない。
「他の4コマにはない雰囲気」が「4コマ外の作品で作られる雰囲気」だと気づくのは『サイトーくん』『美術部』を読んでからでしたが。まぁ「シュールな部分がある」という辺りで「うおー! すげーおもしれぇぇ!!」という作品ではないですが、ハマる人にはハマる作品ですし魅力ある作品だと思ってます。

“スプーン曲げ"の超能力で自分はモテモテな高校生なのだと信じているかなり残念な斉藤くん…。クラスメイトに“スプーン"とあだ名され笑われる彼が、なんと学園の美少女たちとちょっとエッチなラブコメかもしれない急速接近をしちゃってます!?
恥ずかしいくらいイタ〜イ性格の主人公に降りかかる、絶頂にハッピーで最凶にアンラッキーなハイテンション・ラブコメ

初めて読んだときは「ああ、こういう漫画書くんだなぁ。」という印象でした。スプーン曲げしかできない主人公と本格派エスパーの女の子の物語。主人公が屑だけどお人よしなんですけど、屑要素がなかなか強いので好きになりきれないのが惜しい。他の女性キャラクターもアクが強すぎて受け入れづらい。小泉先輩と志乃森さんは天使だけど…。まぁ、その「個性的な部分」がいいところでもあるんでしょうけど。

いみぎ先生作品は「妄想家」や「人間の屑」、最新作でも「二次元しか愛せない少年」など、「主人公らしくない主人公」というのが結構アイデンティティになっているので、それが他の作品と差別化できていて面白いのでしょう。女の子は可愛くてムチムチしてるし。最近の作品はますますその傾向が強くなっていて素晴らしいです。主人公がただの屑だったらとても読めないですけど、どこかお人よしでスケベでダメな子なんですよね。カッコいいことをカッコいいと思ってやってるけど、カッコ悪い。でも、見てる人はちゃんと見てる。だからサイトーくんはカッコ悪いけど、カッコいい。本編は急展開でクライマックスに向けて動いてますのでそちらも楽しみ。あと描き下ろしエロい。エロいから好き。うん、買いづらい表紙だね!!

あんまりにもエロいんで「エロい漫画が読みたい」と思いますが、多分あだるてぃな漫画になると面白くないと思います。ギリギリなエロコメ書いてくれないかしら。膝裏コキがあるぐらいのライトさのエロいまむが(ゲスい上にフェチいしライトでもない


とある中学のとある美術部――。そこには、才能があるのに「理想の二次元嫁」を描くことにしか興味のない男子が1名と、そんなどーしょーもない男子のことがどーしょーもなく気になっちゃうマジメ女子が1名いました。そんな少々問題のある2人を中心に今日も美術部は活動中!

この作品も「二次元しか興味ない主人公」となかなか歪んでるわけですが、かなりまともな思考をした主人公に思えます。サイトーくんなんかを読んでると「二次元以外はゴミ」と言い放ちそう(興味ない、とはっきり言ってますが)ですが、この主人公に関しては結構まともな社会性があってコレットにも優しく接しています。序盤は結構恋愛漫画っぽくて「どうした! どうしたいみぎむる! 結構ちゃんとしてるぞ!! こういうのも書けるのか!」とか失礼なことを思いつつ、変人的な部長のキャラクターとか、すばるの一方通行な性癖とか、まさに「現いみぎむる」という感じですが、個人的にはコレットちゃん加入からの「意味なきドタバタ」がいみぎ節を感じられてめちゃくちゃ楽しいです。と、いうかビジュアルといい性格といい『君に幸アレ!!』のミユっぽくて個人的にツボなんですよね。

漫画レビュアーの人は「恋愛!」「宇佐美さんぺろぺろ」とかを中心にツボみたいですけど、私としては「すばるショタぺろぺろ」「コレットちゃんぺろぺろ」「部長ぺろぺろ」という調子です。あれ、私も大して変わらないぞ。このドタバタ感のまま続いてほしいなーというのが個人的希望です。サイトーくんが陰(淫)ならこの作品は陽。この振れ幅が素敵だね!

いみぎむるさんの漫画は個性的で面白い。読んでいて遊び心だけで作品が構成されている「意外性」が大幅を占めて、その中にも裏切らない確かな「王道」が混在していて、読んでいてその感覚が好きで作品を追い続けているのだと思う。それに加えて、女の子がムチムチしてて肉感的でいやらしい。そういうグラマラスな子だけでなくロリ風味のすとーんな子も可愛らしくいやらしく。「女の子が可愛いだけ」みたいな漫画はいっぱいあるけど、「面白い漫画」というのはどうしても限られてくる。それがいみぎ作品にはあると思う。…ちょっと大袈裟に吹いてみる。
個人的にはもっと王道よりだったり、ブラックな要素を減らした作品を書かれてもいいのではないかと思う。サイトーくんは主人公が屑すぎて感情移入しづらかったり、美術部はエキセントリックな設定がちょっと没頭しづらい。それが魅力、なのは誰よりも分かっていますし好きではあるんですが。「その先」を個人的には期待しちゃうんですよね。好き好き大好き超愛してる


久々に「スキスキスー」な特集が書けて楽しかったです。つーか、今更ですけど傾向的に私ってクセがある漫画が好きですよね…。だから他の人とあんまり好みがかぶらないんでしょーけど。ほな、また次回近いうちに。