今回はきらら100号記念特別企画です。イエーイ。まんがタイムきららがはじまったから、その後のCarat、MAXがある。と、いうわけで私が選ぶまんがタイムきららレーベルのコミックス50選です。選抜理由は好きな作品です。結構昔の作品なんかもあって懐かしい気持ちになりました。
Q.「100号なのに100選じゃないんですか?」
A.「100だとタイトルを全く厳選できないので辞めました。」
と、いうわけできらら100号おめでとう企画です。本当は「100冊読めるかな?」として合計100冊というのも考えたのですが、結構あっさり100に到達してしまったので
Q.選発理由は?
A.だから好きな作品だって。
Q.おい! ○○が入ってないじゃねーか!
A.あなたの50選を教えてください。
Q.おい! ○○がなんで入ってるんだよ!
A.あなたの50選を教えてください。
Q.どうしてWORSTはあんなに展開が微妙なんですか。
A.クローズの頃からそうじゃないですか。スネークヘッズのボスが春道と戦わないし、ゼットン、武田、キングギドラ、PTAの四天王の決着つけないし。私はそれがずっと不満なんですよ。ゼットンって性格変わりすぎですよねぇ…。
これはランキングではないのであしからず。順番に他意はありません。
1『トリコロ / 海藍』
現状には「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」と思わざるをえないのはともかく、やはりきららの「萌え」のイメージを築いた代表格。読者だけでなく作家でも影響を受けた人物は多い。やっぱり今読んでも新鮮で面白くて可愛くて変な4コマ漫画です。どうでもいいけど、三面キャプターズマダー!
2『ふおんコネクト / ざら』
きららで最も異色を貫いた4コマ漫画。濃密で誰得なパロディと読ませる物を引き込む多重構造、書き込まれすぎて「読みづらい」というレベルに達していた異質な存在。ただ、それらを抜きにして境ふおんとゆかいな仲間達の活躍は読む価値あり。これは単純な一人の人物の成長物語です。
3『スーパーメイドちるみさん / 師走冬子』
初期を支えた大黒柱。師走冬子先生らしい誰も傷つけない作風はいつ読んでも暖かく面白い。気づいたら10巻の長期連載。この連載のなにがスゴイって、キャラも増えてはいますけど「メイド」という一本ネタのみで特に大きな変化もなくここまで続いていることだと思います。
4『ねこきっさ / ととねみぎ』
きららの初期から現在まで支え続けた(休載しつつ)作品。安定したファンタジー4コマ。大きな変化はないけど、それが幸せでした。可愛らしくもコメディ4コマとして楽しめ、喫茶店4コマという土俵を完全に超越した個性豊かなキャラクターが無双乱舞し、可愛らしくもアホアホなととねみぎキャラクターが楽しめる。
5『てんしの末裔 / 藤島じゅん』
藤島先生がきららで連載してたのが意外。冒険的な作品でしたが、最後のまとめあげた勢いが半端ない。それだけでも読む価値あり。
6『うぃずりず / 里好』
金髪碧眼とどうみても外国人だけど誰よりも日本人らしいリズの物語もついにフィナーレ。安定した面白さとレギュラー陣のキャラ立ち、ちょっぴり垣間見える毒が魅力的な作品でした。時折挿入される「ちょっといい話」的エピソードにはホッコリさせられたり、ちょっとウルッときたり。最後の最後まで「この作品に出会えてよかった。」と心から思わせてくれる作品。
7『二丁目路地裏探偵奇譚 / コバヤシテツヤ』
きらら三大ファンタジー4コマの1本だと思っています。他の4コマ漫画と全くかぶらないファンタジー路線を貫く姿勢に完敗。最初から最後までクライマックス!! 所長とショコラの話は大好きですのよ。
8『境界線上のリンボ / 鳥取砂丘』
ファンタジー4コマ新機軸。人種問題等のなかなか重いテーマも扱っており、ただのファンタジーでおさまらない挑戦的な作品でもある。ラストのとある事実が発覚する前後からラストにかけての流れに圧倒される。鳥取砂丘の意欲作、またファンタジーを書いて欲しい。フゥ自身のやさしさも誰かの助けとなったりと、人々の息づかいが楽しい作品。
9『かみさまのいうとおり! / 湖西晶』
鼻血女子高生宗教4コマ。きららの代表作で有り続ける1作。お笑い4コマでありつつ、時に演出される切なさが酷く心に刺さる。鬼才・湖西晶がここにいる!! しかし、普段の鼻血とのギャップはなんなのかしら…。
10『棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜 / きゆづきさとこ』
きゆづきさとこが贈る4コマ史上最高峰のファンタジー4コマ。絵本を創造させるファンタジックでどこか懐かしい絵本調の絵、深すぎず浅すぎず読む者の想像力を想起させるストーリー。棺を担いだクロの旅は終わりを目指して続いていく。作者によると折返しとのことだが、この物語の終わりがどこにあるのか。読者には終わりがまだ見えていない。間違いなく、ファンタジー4コマ最高傑作!!
11『まーぶるインスパイア / むねきち』
この作品が酷い!! エロネタ、ネットゲームネタ、とにかく読者を置いてけぼりにするテンションでキャラクター達が暴れ回る。自分勝手で廃人でダメ人間で。パソコンを買うまでの話でここまで発展させられる奇跡。きらら史で最も酷い作品に推薦したいと思います。いい意味で。
12『あっちこっち / 異識』
アニメ化も決定したきらら発学園4コマ。主人公であるツンデレ娘と究極朴念仁の友達以上恋愛未満な学園ライフ。時折二人のニマニマしたやり取りが挿入されるが、それ以上に周りのキャラクターとこの二人を中心とした大騒動が面白い。かくれんぼでも掃除でもゆかいな仲間たちにかかれば全部遊びとなる。そんな大暴走が他の4コマにはない妙に派手なアクションで描かれていて面白い。楽しいよ!
13『けいおん! / かきふらい』
きららで最も華やかに輝いた作品。ただのダメ人間だった唯が軽音部を通して成長し梓という一人の女の子に多大な影響を与えた結末は名作と言わざるをえない。キャラクター性とわいわい感を存分に打ち出された今作品は『けいおん!』という誇大化した作品名のおかげで分かりづらいが、純粋に4コマ作品としてもっと評価されるべきだろう。続編は知らん。
14『ゆゆ式 / 三上小又』
女子高生3人組がテーマを決めて語りあう、新感覚漫才コント4コマ。言葉では言い表しづらい面白さに溢れている作品。ちょっとずつ、ちょっとずつ広がっていく世界が魅力的。どのキャラクターも違った魅力があり、誰も誰もかぶらない個性がある。そこかとなくエロく、ひざ裏とか些細なことがエロくて素敵。既刊を重ねていっても平均的なレベルの高さ、可愛さが愛されてる証拠。
15『ひだまりスケッチ / 蒼樹うめ』
きららで最も「ファンに愛されている作品。」の代表格。高校で美術を学ぶひだまり荘の住人を中心とする学園コメディ。巻数が進み、永遠のユートピアにも変化が見えてきている。フレッシュな1年生、安定の2年生、修学旅行、進路決め、と岐路を迎えている3年生らが描かれている。若干の変化が飽きさせない。蒼樹うめの期待を裏切らない魅力があふれた作品。
16『GA 芸術科アートデザインクラス / きゆづきさとこ』
美術4コマ。きゆづきさとこの特殊な画風が他の4コマ漫画にはない圧倒的な存在感を発揮している。4コマ史に残る不朽の名作。あれ、これComicぎゅっとの作品じゃないか。
17『三者三葉 / 荒井チェリー』
荒井チェリーはきららの良心。今も昔もこれからも。
18『とらぶるクリック / 門瀬粗』
ごった煮のカオス感全開4コマ。アスキーアートネタを多様したり、パソコンに触ると爆発するというとんでも設定だったり、時にラブ時にサスペンスチック、百合、もうなんでもあり!! このごった煮感が凄い!! そして、スゴい面白くて暖かい。こんな4コマ他にないよ!!
19『雅さんちの戦闘事情 / 鬼八頭かかし』
パンツがやってきた!! ヤァヤァヤァ!!
20『イチロー! / 未影』
浪人生4コマ。おバカでエロくて、ところどころ百合で。MAXでも人気のあった長期連載で個性豊かなキャラクターが織りなす様子は微笑ましくも楽しい。最終回が名作だったのは間違いない。異色だけど面白いという「MAX」のイメージ作りに貢献した一作。
21『ラジオでGO! / なぐも。』
ラジオパーソナリティの主人公を通してラジオ業界の世界を描く。あくまでファンタジーではあるが、ラジオの楽しさ及び大変さが伝わる「お仕事4コマ」として代表的作品。女子高生等若年層の可愛さを描くきらら4コマの中で作者の絵の個性も相まって「大人の可愛さ」というある種のダメ可愛いを描かれている。その一方で恋愛面も徐々に進んでいき、ある一つの恋愛の形の決着の付け方の描写は4コマ史に残る描写だと私は思っている。
22『ふら・ふろ / カネコマサル』
まったりゆるゆるふわふわ。4コマ漫画ではないですが、なんとも言えないゆるふわ加減。ゆるめいつ、ひまじんと並んでダメ人間4コマのエース的存在。あー、私も師匠と一緒に遊んだりご飯食べたりお風呂入ったりしたい。
23『うらバン! 浦和泉高等学校吹奏楽部 / 都桜和』
完結して名作となった吹奏楽4コマ。少なくとも私はそう思ってる。
24『空の下屋根の中 / 双見酔』
働いたら負けだと思ってる! 空想的かつ現実的な「仕事」と向き合う姿勢は萌え漫画とは思えない世界観でした。改めて「まんがタイムきららってただの萌え漫画じゃない漫画が異彩を放つ雑誌だよね」と思わざるをえない。主人公から繰り返される自問自答から生まれるものは。可愛らしい絵柄かつどこかおぼろげな世界に魅了される。
25『ひよぴよえにっき / 琴久花央』
言葉も満足に話せない好奇心いっぱいな幼な子と、そんな妹を甲斐甲斐しくもうれしそうにお世話する、というより一緒に遊んでる子どもっぽくてドジな小学生姉の、屈託ないぽかぽかしたクレヨンまみれの触れ合いを賑々しく描いた作品の最終巻。精一杯の背伸びと成長。彼女たちにはこれが世界なんです。それが変わる日が来ても、今日という日は永遠に変わりません。そんな記録がこの絵日記です。
26『ひろなex. / すか』
本格探検隊4コマ。普通ってなんだか分からなくなる。そんなマニアックでダメでエロくて放尿で面白い。ヤスカッコいい!! 個人的に大好きな作品。きらららしくはないけど、きららMAXらしい作品だと思います。なんでこう無駄にエロいんでしょうね。美緒は私の嫁です。
27『看板娘はさしおさえ / 鈴城芹』
葛籠を開けたら幼女が出る。それは正義。鈴城芹の初期衝動の固まり。質屋を知りたければこれを読め!! あれ、タイトルでもあるさえちゃんの出番が少ないような…。あんまり言ったことなかったですけど、私さえちゃんどストライクで大好きなんだぜ。好き好き大好き超愛してる!!
28『くすりのマジョラム / 鈴城芹』
小学生と魔女(?)のような薬剤師ラムの日常を描くはーとふるすとーりー。キャラクターの可愛さもさることながら、薬学的な知識等が生かされ読み応えある深い作品になっている。最初に仕込んだ伏線が後に生かされるなど、作者らしい遊びもあり面白い。無論、主人公をはじめ周りを固める人物が魅力的で「いつまでも読み続けたい」そんな永遠を感じる作品。
29『ラッキーストライク / みそおでん』
4コマ漫画はある時期から「未参入のジャンルにどう切り込んでいくか」という土俵があるが、この漫画もそのフロンティア精神で「ボーリング」という土俵に切り込んできた。4コマでの部活物は「なんちゃって」が多いが、この作品はコメディ4コマとして成立させつつ、本格的にボーリングをテーマにしている。ほのぼのおんにゃのこ4コマという安心の安定感もあり、ぐだゆるっぷりにも癒される。想像以上にボーリング4コマ!!
30『かなめも / 石見翔子』
新聞営業所4コマ。毒が酷いけど、温かみなら負けない。かなちゃんがどんどん歪んでいくのが心配。
31『○本の住人 / kashmir』
小学生の少女「蓼科のり子」と童話作家の兄「蓼科いずみ」の日常を描いた4コマ漫画。可愛らしい絵柄ながらもシュールな世界観を貫く、4コマ漫画の中でも異色な存在。「これでも他作品に比べれば分かりやすい。」という領域。クオリティは下がることなくむしろ上がっている印象を受ける。「こんな日常も永遠だ。なんて素敵なんだろう。」なんて思ってしまう。作者はエロくないのもエロくするし、エロいのをエロくしない。そんな魅力に溢れている。
32『魔法のじゅもん / あらきかなお』
あんまり言ったことないんですけど、個人的に大好きな作品。とにかくアホで一世代前のきららって感じがする。もー、なんというかのんちゃんがストライクすぎて困ります。可愛くて常識人でロリでおバカで…。荒削りで稚拙な部分も多い作品だけど、素敵な作品。あとヒロインの一人がハルヒそっくり。
33『きんいろモザイク / 原悠衣』
留学生のアリスを中心に楽しくも愉快な学園生活を描く。現行メジャータイトルだとAチャンネルに似た雰囲気があるが、作者である原先生の絵柄には温かみがあり他の漫画にはない独特のカラーを醸し出している。テコ入れに新キャラを入れてくるのも絶妙。可愛い絵柄だけでなく、時に狂気的とも言える破壊力のあるボケが恐ろしい。テーマは人間讃歌。
35『ぐーぱん! / 榛名まお』
愛すべきダメ4コマ。最初から最後までダメだった。
36『まん研 / うおなてれぴん』
「きらららしくない」4コマなんですけど、独自の個性を守りつつ面白い4コマ漫画でした。最終回がまったく最終回らしくない。今でも終わる必要あったのかなぁ、と思っています。それぐらい好きな作品。ああ、この作品もダメな作品でした。私は駄目な作品好きなんだなぁ。
37『もっかい! / 4224』
1巻完結ながらその強烈な個性に魅了された人多し。女子高生二人組のゆるい生活を描いたテーマとしては平凡であり非凡。どちらかといえばシュールな世界観はコアなファンを作った。強烈な個性が万人に愛されるとは思えないが、間違いなく2011年を彩った4コマ漫画の一つ。期待以上か、期待外れか。それはあなたが決めればいい。他の4コマにないものがあるのは間違いない。
38『教艦ASTRO / 蕃納葱』
まだだ! まだ終わらんよ!!
39『チェルシー / シバユウスケ』
お笑いを題材にした女子高生4コマ。狭い世界観で終わらずお笑いの描写に挑戦するなど野心的な面が見られた。絵柄が大衆的でない上にテンプレート化されているきらいはあるが、キャラクターが生きているのを感じられる。あれだな、あれ。犬飼いたーい!! 白い奴!!
41『こどもすまいる! / 娘太丸』
娘太丸が娘太丸らしい作品、今読むと結構荒削りで読みづらい部分もあるんですけど、それもまた良きかな良きかな。可愛い女の子がここにいた!! タイトルが秀逸ですよね、このタイトルみてるだけで涙が出ちゃう。
42『Aチャンネル / 黒田bb』
日常を日常のまま面白く描いている。なんの変哲もないが、黒田bbの絵の雰囲気か気負わない作風か、他の4コマにはない雰囲気を作っている。トリビア! 黒田bbは単行本が出るまでbbというペンネームだった。いえーい、金の脳ゲットだぜ!!
43『まじん☆プラナ / nino』
キャラ多すぎ人外4コマ。休載しがちだが、クオリティの高さに反して知名度の低さが気になります。とにかくエロくて面白い。日常でありつつ、こんなにファンタジーファンタジーしている4コマは他には知らない。もっと評価されもいい!!と心から叫んでおきます。ちなみに、私は大河内チームが好きです。
45『もうダメかもしれない / かにかま』
お嬢様を主役にした学園4コマ。お嬢様というかお姫様。冠かぶってる。4コマ漫画も一周して「普通じゃダメ! 目立たないと!」的な酷い一発ネタをぶっ込んでくる4コマが結構あるんですけど、それを突き詰めて連載にしちゃった漫画。このくだらなさ、ダメっぷりが大好き。
46『CIRCLEさーくる / 榊』
大学の漫研を舞台にした部活系4コマ。この手の部活系4コマにしては珍しく、男性キャラが多く登場する。物語はクライマックスに向かっており、小金井さんと境くんの恋愛模様に決着がつけられようとしている。友達以上恋人未満、そんな二人の関係はどうなるのか。そしてサークルの行方は。小金井さんはロリむっちり! ひゃっほう!
47『0からはじめましょう / ととねみぎ』
私がきららと出会った頃、初めてに近い時期に読んだ4コマ漫画。いきなりヒロインが死ぬという設定が凄すぎる。この衝撃は相当ありました。なんつーか「MAXらしい」という言葉に尽きる。
48『キルミーベイベー / カヅホ』
暗殺者とおバカのコメディ。ナンセンスギャグの連発に継ぐ連発。ある種、きららで最も自由な作品かもしれません。
49『ドージンワーク / ヒロユキ』
色々あったけど、やっぱりきららを代表する一作だったと思います。
50『かたつむりちゃん / 今井神』
きららでも異色で有り続けなにげに長期連載だったギャグ4コマ。でも、今井神の作風って元々こっちだったよな、と思ってニヤリ。読んでもなにも残らないカタルシスギャグの連発ですが、そんな作品があってもいいと思う。またきららで書かないかな、と思ってます。
と、いうわけで100号記念企画でした。50選に漏れたからって嫌いな作品とかではないので。きららは4コマを盛り上げた立役者だと思っています。これに続いてどんどん4コマが盛り上がればいいなぁ…。それでは、200号の際には100選がお送りできるのではないでしょうか。あなたの50選はなんですか?