「とりあえず、これを読め。あ、いや、読んでみてください。」4コマオブザイヤー主催が独断と偏見で選ぶ名作4コマ10選

うっす、八戸です。
今回は突然ですが、特別企画「私が選ぶ名作4コマ10選」をやりたいと思います。


1.GA -芸術科アートデザインクラス- / きゆづきさとこ

とある学校の芸術科クラスに通う5人の女の子。彼女たちがデッサンしたり、粘土をこねたり、マウスを動かしたりするのを見ているだけで、なんだかこっちもアートしている気分に!?

きゆづきさとこさんの素晴らしいところは「絵本のような幻想的な世界を成立させつつ、落とす部分は落としてギャグ4コマを成立させている。」という部分にあると思います。最近はファンタジー要素のある4コマ作品は多いですが、その「ファンタジーとオチ」の両方を成立させている作家は殆どいません。GAはその部分がしっかりしているので読んでいて非常に満足度が高い。日常に絵画の世界を入れたり、合間合間にくだらない話を入れたり、その中でいい話をいれたり。このバランスがきゆづき作品は素晴らしい。今更ですけど、女の子が可愛いです。


2.ひだまりスケッチ / 蒼樹うめ

憧れのやまぶき高校美術科に入学したゆの。親元を離れ、学校近くのひだまり荘で友人達と楽しい日々を送りながら、今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。女の子達の日常をやさしくカラフルに描き出す。

今更感あるかもしれませんけど。萌え4コマの草分け的存在として、過去の作品の傾向とも違う「蒼樹うめワールド」を構築したって凄いことだと思います。なかなか、これだけ丁寧に書かれている作品もありません。アニメ化までされた作品でありながらブレることなく影響されることなく「ひだまりスケッチ」を書き続けていること、この作品が愛される理由は多すぎる。


3.わさんぼん / 佐藤両々

製菓学校を卒業した草太は老舗の和菓子店で住み込みの修業を始めることに…。そこの看板娘にフォーリンラブしちゃったから、さぁ大変!

「これほどドラマ向きの作品もない」と私が思ってるぐらい、大人向けの作品。「和菓子職人」というテーマをリサーチし真剣に向き合った作品になっている。主人公がバカでありつつも真剣に和菓子と向き合い成長していく様子は他の4コマにはない「ストーリー4コマ」としての面白さがある。佐藤両々のリアルでありつつもほのぼのとしたタッチが説得力を増させている。主人公とヒロインがくっつく、というだけの予定調和では終わらないストーリー展開も面白い。このまま「いい作品だった!」で終わるには勿体ない作品。


4.みそララ / 宮原るり

成長すればするほど新たにぶつかるカベ。まだまだ新米ライター麦田美苑はどうやって乗りこえる!?読めば明日の仕事が待ち遠しくなる☆

恋愛ラボ』とはまた違った「宮原るりワールド」がつまった作品。リアルな社会人生活をモデルにしつつも、宮原るり特有の軽いキャラクターがポップな世界観を演出している。悩みつつぶつかりつつも成長していく麦の姿は微笑ましい。ちょっとした恋愛ラボとのつながりも楽しい作品。いやぁ、幼女スズたんは宝だね!! 眼鏡眼鏡! すでに巻数が出ており入りづらい印象もあるが、こんなに可愛い社会人漫画なかなかないですよ。はーっ!!


5.かいしゃいんのメロディー / 大橋ツヨシ

かいしゃいんのメロディー 1 (竹書房漫画文庫 OT 1)
大橋 ツヨシ
竹書房
売り上げランキング: 574,146

まじめにまじめに生きるサラリーマン「うずら谷(うずらたに)」。そのまじめさは決して、仕事に生かされることはないと言う…。

大橋ツヨシ作品はもっと読まれていいと思ってる代表的な4コマ作家。シュールな部分を持ち合わせつつもシンプルで普遍的なお笑い4コマを忠実に書き続ける姿は他の追随を許さないものがある。エレキングと併せていかが。


6.スターマイン / ストロマ

どこにでもいる普通の高校生男子・陸田行成。夜空に光る流星群に「彼女が欲しい!超欲しい!!」と願いをかけるとたちまち恋人候補の女の子がやってきた!やったー!……が、その数なんと9人!(+お目付け役の女性が一人)恋も愛も友情もネタもオチも全部ひっくるめた行成と彼女たちとの星春が今、始まる。

ギャグ4コマ兼ラブコメ4コマ。ラブコメ4コマというとラブコメ展開ばかりで退屈になりがちだが、多くのヒロインを各々魅力的に描いており、ヒロインとヒロインが各々絡むためまた別の一面が見れて面白い。ラブだけでなくコメにも重きが置かれており、コメディ4コマとしても優秀。王道、不思議、ツンツン…、数多くの属性からお気に入りが見つかればより楽しめることうけあい。私は子供の潮ちゃんが好きです。わーーい!!


7.らいか・デイズ / むんこ

児童会長のらいかちゃんは人望あつく、成績優秀、将来有望。でも、恋愛方面はちょっと苦手…。楽しい発見や優しさにあふれた毎日はどこか胸が痛くなるほど懐かしい。らいかワールドにはあなたの居場所もきっとある。

むんこ作品から一作品を選ぶなら?と考えたら、この作品になりました。ストーリー性なら「だって愛してる」「がんばれ!メメ子ちゃん」なんかを選ぶべきだと思います。でも、普通のことを普遍的に日常として描く、大きなドラマもストーリーもないけど、らいかの成長と日常を描いたこの作品は間違いなく名作だと思うんです。らいかを主人公にしつつ、群像劇になっているのも読んでて味わい深い。仮にも漫画が好きなのにむんこ作品を読んでない人は損をしてますよ、多分ね。らいかが成長しつつも変わらない部分が確かに存在してて素敵です。


8.うちの大家族 / 重野なおき

千葉に住む内野家は、今時珍しい父親と3男5女の大家族。長女の愛子が亡き母親に代わり、家事に育児に大活躍!! 笑いの中にも温かさが溢れる、にぎやかな家庭を是非お楽しみください!!

「大家族」という誰も扱っていなかったジャンルを切り開いた4コマ界のパイオニア重野なおきの長期連載作品。単行本も数を重ねているにも関わらず作品としての鮮度が全く落ちてない。キャラクターも大家族をメインとしているため多いが、散漫な印象はなく丁寧に掘り下げられている。それぞれの巻のラストでは表紙になるキャラクターをメインとしたエピソードが描かれており単行本の構成も憎い。特に2巻の長男・音也のエピソードが良く、最後に大家族を歌った歌詞が書き下ろされているのが素敵だ。『信長の忍び』が注目されがちだが、奇をえつらわず等身大の日常を描いた重野なおきは強い。


9.ふおんコネクト / ざら

補習常習トラブルメーカー、完璧超人の次姉、オール平均値なシスコン末妹、童顔教師兼ズボラ長姉……バラバラに見えるけどみんな、繋がってる? 最高に刺激的でアクロバティックなざらワールド!

超密度4コマ。私はこの作品が大好きなんですよね。この作品は裏に隠された「元ネタ」「ヲタク的要素」ばかり注目されるんですけど、それ以上にキャラクターの個性が素晴らしい。チートの小動物ふおん、完璧欠陥超人交流、平均凡人通果、幼女廃人夕ちゃん、その個性的な面々とマニアックな要素が奇跡的な化学反応を起こして「ふおんコネクト」が構成されています。この作品のバランスは作ろうとして作れるものとは思えず、今だに私にとって唯一無二の作品になっています。表には出てこないが、ストーリーのSF要素が個人的に面白い。


10.氷室の天地 Fate/school life / 磨伸映一郎

大人気パソコンゲームFate』のスピンオフ作品! 通称・三人娘の織りなすゆかいな日々!

Fateスピンオフ作品でありながら、無関係に暴走を重ねている作品。Fate要素もあるもののそれよりも学園ギャグ4コマとして楽しむのがベストに思える。「Fate要素もあるからFateに興味がある人も楽しめる。」「Fateは薄いから、知らなくても学園ギャグ4コマとして楽しめる。」そんな作品になっています。この作品の特徴は磨伸節ともいえる元ネタたっぷりな暴走的ギャグ。全部が全部元ネタなんか正直分からないけど面白い。と、いうのも氷室、マキジ、三枝の三人娘のキャラクターが個性的だから面白いんですよね。絵柄がキュートでポップだから、これも萌え4コマの一つの形なんです。



今回、こういう特集を書こうと思ったのは今までさんざん4コマを語ってきた中で「やっぱり、みんな4コマ読んでない。」と思ったからです。勿論4コマ読みは増えたと思いますが。増えていても、やっぱり読んでない。読まれてるのはアニメ化した作品だけだと思うんですよね、あと一部のきらら作品。だからちょっと声を大にして言いたいなって。
いくらでも書けますが、今回はあえて10作品に絞ってみました。萌え4コマにも、ファミリー4コマ両方の分野から平均的に。「これはない」と思う作品もあるでしょうし、完全に私の趣味が反映されている結果です。『聖☆高校生』とか『ここだけのふたり!』とか『トリコロ』とか『特ダネ三面キャプターズ』とか、いくらでもあるんですよ、入れたいのは。また別の機会には別の縛りでできればと思います。


つーわけで、あなたも選んでみては? これらの作品、読んで損はさせませんよ。合う合わないはあるかもしれないけどねー。
それじゃあ、また次回。