「4コマオブザイヤー2013」開催のお知らせ

今年も4コマオブザイヤーを開催する運びになりました。主催の八戸です。
投票特設サイトを作成しましたのでこちらをご活用ください。
どんなに4コマがアニメ化されてもアニメ化されてない作品には目を向ける人は少ないです。だから、少しでも4コマ好きと4コマを読まない人の距離が縮まればいいな、と思ってます。
4回目ですからマンネリ化も当然あります。まぁ、それはそれでいいんじゃないかと。マンネリも通り過ぎれば新鮮になるかもしれません。


と、まぁ真面目なこと言ってみましたけど、そんな大したもんじゃないです。所詮4コマ、されど4コマ。おもしれーもんをおもしれーって言ってうだうだ酒を飲みましょう。
知らないなら知らないでいいじゃない! 私だって知らない漫画いっぱいあるよ。勿論4コマ漫画だってね。それならこれから知ればいいじゃない。
この企画はそんなもんです。じゃあ、皆さんよろしく。どうせ遊ぶなら人がいっぱいいたほうが面白いってこと。


投票特設サイトを使えない方はこのコメント欄からご投票ください。集計に便利なんでできればあっち使ってください。


【新刊部門】
2012年12月1日以降から2013年11月30日までに発売された"1巻の"4コマ漫画単行本から5作品

【既刊部門】
2012年12月1日以降から2013年11月30日までに発売された"2巻以降"の4コマ漫画単行本から3作品

【投票期間】
2013年12月1日〜2013年12月21日

【投票対象作品リスト】
4コマオブザイヤー2013投票対象作品リスト


ほいじゃ〜。

『しあわせのかたち』から『漫喫漫玉日記』まで。ブランクを経た桜玉吉の過去から今

桜玉吉の新刊が6年近くぶりに発売しました。そこで今回は桜玉吉語りです。

桜玉吉といえば、ファミ通しあわせのかたち』でのゲームをパロディにした「3人組漫画」で知られています。漫画に詳しい方は鬱になり、その状態での日記漫画で知っている方もいるのではないでしょうか。それでは、その後は? 皆さんは知っているでしょうか。おそらく知らない方のほうが多いと思います。私に限らず「玉吉ファン」は今も数多くいることでしょう。そんな、玉吉ファンだからこそ語れる桜玉吉の今。その経緯を書いていきたいと思います。桜玉吉の過去から今。

創作系…『おやじの惑星』『ブロイラー親父FX』『ゲイツちゃん』

創作の作品はすべてが『しあわせのかたち』の延長で書かれているので特筆することはありません。現在も連載が続き10年近くの長期連載となっている『ゲイツちゃん』に関してはリアルに桜玉吉の怒りが反映されています。


前期…『しあわせのかたち』『防衛漫玉日記』

ファミ通が週刊化されてからは日常を書き記す日記漫画に。普通の日記漫画から、後々の作風を想像させる生々しい日常漫画「しあわせのそねみ」や「しあわせのかたちレア」等のダークな話も書かれており桜玉吉を語る上でははずせない一作。個人的には途中で消滅した暗黒舞踏漫画『ラブラブルート21』をもう一度読みたいです。
その完結後に書かれた『防衛漫玉日記』は基本的にはレポート漫画の要素を持った日常を茶化した空想含みのパロディ風日記漫画だが、中には生活費の話や日常の生々しい話も書かれている。桜玉吉にとって最もふざけた日記漫画。


中期…『なぁ!ゲームをやろうじゃないか なげやり』『幽玄漫玉日記』

なげやりは前期に属してもいいゲーム漫画で、ゲームのタイトルをダジャレにして、そのテーマにそってまったく関係ない日常を過ごす作品。タイトルが「NOEL」だったらNOEL→野エロに変換して青姦を探しに街に出たりする。だんだんとパロディが暴走をはじめ収集がつかなくなり、休載から自然消滅してしまった作品。「ぱそみちゃん」とのつながり等、幽玄に繋がる部分あり。
『幽玄漫玉日記』は離婚をし鬱になってしまった後の作品で3人組漫画以降では最も知られている「桜玉吉のイメージ」に近い作品。1巻では店に出資、2巻ではパンクにハマり暴走、その後は株に挑戦、同人誌作り…と、5巻までは初期の桜玉吉に繋がるポップな部分も絵柄・話作りに現れているが、終盤は日常を面白くするという出来事もなく、淡々とした日々を描く、後期の桜玉吉に繋がる作風になっている。


後期…『御緩漫玉日記

あくまでタモ吉という別人の設定にはなっているが『しあわせのかたち』終了以降の桜玉吉のアシスタントとの痴情のもつれに至るまでの過去の話が茶化し薄めで書かれている。過去の作品でお笑い要素強めで書かれていた編集者もリアルに書かれており、リンクしていることが分かる。しかし、途中でその話は半端に書かれなくなり、日常や幼児期の話が描かれカオスな形になり半端な形で完結する。

『幽玄』時代はまだアシスタント、編集者等と絡むことが多く「桜玉吉」一人では完結していない作品でした。その環境も作用してか「客観的に日常茶化す」ことが出来ていた作品でした。しかし、この『御緩』になってからは伊豆に自宅を買い、移住したことで単独で生活することが多く、そういった客観性や面白みという要素は大分薄れた作品でした。


『御緩』の最後では「精神疾患で第三者が脳内に現れ原稿を訂正する」というダウナーな方向にいき休載をよぎなくされました。この御緩という作品は過去のアシスタントとの下世話な過去編からはじまり、その話が前触れもなく書かれなくなり幼児期の体験、怒りっぽい日常、日々徒然と目まぐるしく変わる作品でした。



前置きが長くなりましたが、ここからが桜玉吉の「なう」の話です。今作『漫喫漫玉日記』では自宅はあるものの、漫画喫茶で生活し漫画を書いていることが語られています。ネット喫茶難民ではなく、自宅はあるものの漫画喫茶で仕事をすることに快適を覚え、お金がかかることで追い込まれているのを実感しつつ生活しています。ただ、金銭的に余裕があるかというとそういうわけではないようです。

事実、御緩完結後は隔週の4コマ二本しか書いていない状況でした。2007年1月号、正確には2006年を最後に長編は復活する2012年4月号まで1本もありませんでした。約6年間近く4コマと過去作の印税のみで暮らしていたことになります。生活費は逼迫し、私財をオークションで売る生活をしていたと今作で語られています。
自宅は物に溢れ、漫画喫茶で寝食を送る生活をしている…、そこまでに至る経緯は詳しくは語られていません。桜玉吉も既に50歳を越えました。作風の変化も生活の変化と共に変わっていくのはごく自然のことでしょう。一時期は酷く短気で全てに当たり散らすような作風になっていた時期もあり、いつまでもポップな桜玉吉ではないのは当然。今は体調も戻られて健康でいられるようですが、正直心配です。
今現在はビームでの読み切り、4コマ漫画2本、週刊文春での隔週漫画を書かれています。50歳を越え桜玉吉がいつまで漫画を書けるかは分かりません。それでも生活のために書いてもらいたいと思います。そろそろ長編漫画を書いてもいいんじゃないですか、玉吉さん。待たされっぱなしですよ、私たち。

この4コマが可愛い! 『オトメシュラン(王嶋環)』をオススメます!

ご無沙汰してます。10月で仕事場は異動になりアタフタしててなかなか更新の暇もとれず。徐々に復帰していきたいですね、そろそろ年末ですし。鍋がおいしい季節になってきました。軽めの更新で徐々に本調子にしていきたいですね。ワンチャンス!

今回は『オトメシュラン』です。ちょっと今更感があるかもしれませんが、この作品は私が昨年の『このマンガがすごい!』で一位にあげた作品です。今まで紹介しておらず、今回2巻が発売されたため改めて語ろうかと。私は基本的に変な個性のある作品が好きなんですけど、この作品に関しては珍しくそういう派手な部分も変わった個性もない安定した作品です。「なんで好きなんだろう?」と思うと、ちょっと言葉に表しづらいです。聞こえは悪いかもしれませんが、特別際立った個性があるわけではないからです。
好きな作品でも手放しで絶賛できない作品が数多くあります。4コマは積み重ねなぶん一つの行動でそのキャラクター、並びに作品の雰囲気を好きにも嫌いにもなります。そういう意味で、この作品は「嫌みがない」というのが大きいかもしれません。イケメンのシェフの話…だと嫌みな作品になっていたかもしれませんが、主人公であるシェフはイケメンだけど女性で乙女。でも、周りからは女性とは認識されてないで…という設定は読んでいて楽しいですし、主人公がとにかくも可愛い。萌えとかとは違う可愛さです。女性漫画家さんの作品ですが中性的なタッチなので読みやすいです。ただただ、安定して面白いです。
4コマなんてのも、一部の萌え4コマを別にすると「ただの学園物」なんてのはないに等しいです。学園物でもなにか変った部活など新しいパターンを模索し一捻りを加えた作品が多いのが実際。そうしないと差別化がはかれず地味な作品になってしまうのでしょう。社会人4コマも一緒で一般的な会社員や教師などの職業だけではパターンが決まってしまいます。だから、ペットショップ、家庭教師、水族館、駅員、病院…、色々な職業が作品の舞台になってきます。
全て体験したことを書くのが漫画ではありませんが、体験していないことでも下調べの有無、どう知らないことでもリアルに書くかが作品の出来を左右します。それが甘い作品は「お仕事漫画」ではなく、お仕事を舞台にしてるだけの薄っぺらい作品になります。4コマ漫画も社会人をメインに書くと「仕事」がテーマになってきますが、それをリアルに描写しているか、それとも想像で適当に書いているか。読者は正直ですから読めばすぐに分かります。この作品ではフレンチレストランをメインにしていますが、想像で書いていると感じられる部分もあるものの全体的に読んでいて違和感がありません。ただ舞台として存在してるのではなくて、内容に上手くレストランが関わってくるから薄っぺらい作品にならない。だからこそ読み応えがあります。


それぞれのキャラクターの個性が立っていて、ある程度パターン化されててお約束を守りつつもマンネリ化せず、新たな一面が見えてくるのが面白いところ。私は結構同じ設定だと飽きちゃうんですけど(2巻を買わないことも多いです。)、1巻ではキャラクターの個性の把握、そこからどうなるんだろう?と2巻を読みたくなる魅力がありました。そして、2巻からは新たなキャラクターが登場したり、主人公の恋の行方など見所も多いです。
恐らくは3巻完結だとは思いますが、最後まで読みたくなる作品です。王嶋さんの作品は基本ギャグなんですけど、血が通った人間性が見えるギャグなので心地よいんですよね。あんまり4コマ漫画を読んで「笑う」というのは、私はあまりないんですけど久々に笑えました。まぁ、そんなゲラゲラ笑うギャグ作品でもないんですけど、まぁ、とにかくも主人公のヨウさんが可愛い。イケメンだけど可愛い。あとは地味な存在ですけど、従業員の慎太がツッコミ担当としていい味出してます。慎太が成長しつつ、成長してないというのが読みどころではありますが、個人的には慎太の成長物語のような骨太の作品も読んでみたいです。
ヨウさんは萌えキャラですけど、押し売りみたいな萌えキャラでもない男装女子的な萌えなので新鮮。そうか、イケメンでも萌えるんだ!! という新たな境地すら感じます。イイネ!! そうだ、男装カフェに行こう!! 


作者の王嶋環さんは軽めのギャグに定評があるからこそ、その要素を取り入れつつも骨太なシリアス寄りの話も読んでみたいものですね。4コマのスケール感が凄いピッタリ合った作家さん。いい下品感と爽快感があります。こういう「末永く応援したい作家さん」がいることは幸せだと思います。この軽い感じが好きになれない方もいるかもしれませんが、お勧めです!

「誰かが語らないとそろそろ整理がつかなくなる。」みずしな孝之を振り返ろう、1991-2013。

みずしな孝之、『いとしのムーコ』がアニメ化もして絶好調。ただ、みずしな孝之の歴史は結構根深いものがあるので誰かがしっかり語らないといけないと思うんです。それもしっかり語れる人が。まぁ、それが私かはともかく「私が語らないで誰が語る」という意味合いも含めてのみずしな孝之特集です。ベテラン作家なので改めて語られることもありませんが、作者本人の個性が強いキャラクターもあるので、結構語ろうとするブレブレになるんですよね。改めて代表作及びターニングポイントになった作品を交えて語っていきたいと思います。


横浜ベイスターズに所属し、大魔神 と称された 佐々木主浩 を題材にした作品である。実際の野球界が舞台であり、実在する野球選手を扱ったギャグ漫画である。登場人物はほぼ実名で登場する。

みずしな孝之のライフワーク、横浜ベイスターズをモデルにした作品。元々は読者投稿からはじまり、野球パロディ『混セでSHOWTIME』を連載してからの作品。段々と漫画的に洗練されていく一方で野球パロディを越えた個性の独自色が出てきて面白い作品。ササキ様の傍若無人っぷりや超人っぷり、ミニ野球選手等々、独自色が強くなりすぎて現実離れしていくいつもの癖が目立ちますが個人的には好きです。完全に進藤選手や波留選手、権藤監督に広島前田。私が知ってる個性豊かな選手たちは、実在の人たち以上にこの選手たちなのです。


「今日できることは明日やろう。うん。」主人公・干物女柏明日香と幕張の堕天使桜子を主人公にしたぬるい大学生活4コマ。

前期・中期みずしな孝之の全てが詰まった作品。デビュー時から9年にわたって連載された長期連載であるため非常に作風の移り変わりが反映されています。初期の大学生のぬるふわ感を描いた初期、顔を長く書くブームを挟み、キャラを増やさずに描くことができなかった中期、ダジャレ落ちを多用し、一ページまるまる使ってのオチを書くのにハマっていた後期。個人的には初期から中期辺りまでは面白いですが、7巻の卒業以降からはマンネリ化とダジャレ落ちが酷くて面白くありません。なにより明日香の人間性がどんどん希薄になり、桜子が超人になっていくことで、「ぬるふわ大学生活としてのサボキャン」が失われていっていました。長期連載である以上仕方ありませんし、作者の作風の変化もありましたが卒業以降は無理やり続いていたような印象は当時から否めませんでした。終盤ではキャラを増やした弊害で、各キャラを書くのも散漫、そのキャラも明日香たちとは絡まない、というわけわかんないことになってましたから。作者自身も書くのに飽きていたのではないでしょうか。その一方で番外編のピーナッツ娘。の話なんかはパロディではあるものの新鮮で面白かったですからね。それから、後期はサボキャンは2色カラーの色を抜かずに単行本収録していたため単行本では印刷がイマイチだったのもこの作品のイメージを悪くしています。個人的には一番愛着がありますし、好きな作品であるからこそ7巻以降の蛇足なグダグダ感が勿体ない。それでも「前期から中期までのみずしな孝之」を象徴する作品であることに間違いないでしょう。


お台場に設置された架空のテレビ局・マルテレビを舞台に展開されるアナウンサー漫画。

同じく初期から中期のみずしな孝之を象徴する作品。一時期の幕張サボテンキャンパス戦え!アナウンサーに顕著だった光景ですが「キャラクターが不幸な目にあうことが面白い」みたいな作風だった時期があって、主人公であるクボショーが酷い目にあう描写が目立ちました。私はそれが好きになれませんでした。毎年新人アナウンサー&スタッフとしてキャラクターがどんどん増えていくのも、サボキャン同様「描ききれない症候群」を発生させていました。ただ、つまんない作品かというとそうでもなく、24時間テレビや討論番組等テレビ番組をパロディにしたネタもあり非常に面白いです。今読むとそれほど嫌いではないですし、キャラクター達も愛嬌があって可愛いです。現在のような「優しいみずしな孝之」がこういうドタバタ漫画を書いたらどうなるのか、という興味はあります。



ぬるゲーマーしなっちのゆかいなゲーマー生活! 『いいでん!』にタイトルを変え連載中。

現在まで形を変えて続く日記漫画。この作品も作者の精神状態が強く反映された作品で、鬱状態のときは作風が鬱の雰囲気満載になっててある種「リアルタイム」で面白い作品。個人的には初期の前担当やアシスタント松村さんが出ていた頃の完全ヌルゲーマーだった頃が好きです。2代目担当の後藤さんになってからは暴力描写が多いうえにワンパターンになってしまって…。そのバランスがフジイさんが出てきてからは作品に変化がでてきて面白いです。


おでんアニマルの物語。キュートな“おでんアニマル”4コマ!

もはやみずしなファン以外は誰も話題にしないであろう伝説の作品。ダジャレの一発ネタから生まれたキャラクター「チクチワワ」を元に、ファンタジー4コマを描こうとして大失敗。1巻で打ち切りの上、終了してからしばらくするまで単行本のアナウンスもありませんでした。完全にやりたかったことは「みずしな孝之verぼのぼの」なんですけど、いがらしみきおのような哲学的な重みもなんもなくて薄っぺらい作品。「なにがしたかったんだろうなぁ…」に尽きる作品。動物描写とかは『いとしのムーコ』に繋がってるのかもしれません。


ネコ語を理解する女子高生・毛野本茶々を取り巻く人々とネコの日常を描く。

最大のターニングポイントなった作品で、みずしな孝之の代表作の一作。この作品で「喋る猫」もとい「動物」をメインに書くということに目覚めたのが大きいと思います。チクチワワの打ち切り、劇団を通して世間との交わりを通して作風に変化が出てきて、ある種の「サボキャン」「戦アナ」「ササキ様」の呪縛から抜け出して、ようやく新しい作品を書くことができるようになった印象があります。けもチャも読み切りから長期連載になった作品なので一概に時期を区切ることはできませんが。動物要素は強いものの「普通に学園物」を作者が書いてそれが成功したのはなかなかのエポックメイキング。キャラクターを増やしすぎることもなく、安定したまま面白く描き切ったことが最大の作品の魅力。主人公が酷い目に合う描写はあるものの、それをコミカルに軽く描けるようになったのが最大の変化だと思います。


Mac不安ちゃん
Mac不安ちゃん
posted with amazlet at 13.09.23
マイナビ (2012-11-29)
売り上げランキング: 2,890

Mac不安ちゃんMacに関する不安な日々。

妄想トリビュート
妄想トリビュート
posted with amazlet at 13.09.23
みずしな 孝之
ロッキングオン
売り上げランキング: 261,551

現実かはたまた妄想か。ミュージシャンをモデルにした妄想漫画。

これらの作品も今のみずしな孝之を形成する大切な作品群。どちらの作品もサイレント要素が強く、現在連載中の『たばたちゃん派』に繋がるシンプルに描写する作風がこの作品から生まれています。この作品がなかったら今現在の作風は確立されてないんではないかな、と。


みずしな孝之の作品を振り返っていくと作品の幅広さに驚かされます。『けものとチャット』の稿でも書きましたが、それまでの長期連載の作品が終わり、『チクチワワ』が打ち切られ(※実際は打ち切りではないかもしれませんが、私は打ち切りだと思っています。)、この作品からグッと作風が明るくなった気がします。どちらかといえばそれまではブラックな描写を好み、達観した表現や不幸な目にあうキャラクターばかり目立っていましたが、けもチャ以降変化が出てきました。劇団員をするなど漫画家にしては珍しいタイプの人ではありますが、その活動が漫画にいい影響を与えたのではないでしょうか。一時期は「この人ほんと目立ちたがりだなぁ。」と漫画家稼業を片手間にやっているような印象もありましたが、現在までの作品がそれにいい影響を与えているのを感じているためあまり気にならなくなりました。それぐらい、今のしなっち作品は面白い。
現在連載されている4コマ漫画作品『ピンクそらりんご』、『たばたちゃん派』。『ピンクそらりんご』は過去と現在のみずしな作品を繋ぐアパート物、『たばたちゃん派』は温かいサイレント幼児物、そして『いとしのムーコ』はアホなワンちゃんと飼い主の交流を描いたゆかいな作品。現在のストーリー物は作風が外に向かって開いている読んでいて楽しい作品ばかりです。ベテラン作家で長期連載を幾つも書いていく中で、新たな作風で他の作家とはかぶらないような新鮮な作品を書いているというのは単純に凄いことだと思います。私はみずしな孝之作品が好きだからこそ、嫌な部分も見えてますし好きになれない作品もあります。それでも、今のみずしな作品の求心力は凄いし面白い。比較的みずしな作品は手に取りやすいと思いますので、おすすめします。また最新作が単行本になったらご紹介できればと思います。
しなっち作品は読む人を選ぶし、嫌いな人は嫌いでしょう。それでも、今の作品を読んでほしい。まずはそれから。

それなりに最新作!「食は素晴らしいものだ。」この食漫画がおすすめ5選!! 

10月から東京に異動するため、引っ越しの準備に追われています。ちょっと更新が滞っていますが、徐々に復帰していく予定ですのでよろしくお願いします。もちろん、色々と準備はしてますよ。はい。
今回は最近流行の食漫画について私のおすすめを書きたいと思います。まぁ、多分ほとんど話題にも上がらないで過ぎ去っていきそうな作品も含めて。メジャーな作品以外にだって面白い食漫画はあるぞー!というお話。


主人公は、自分自身を「三国志」の名軍師・諸葛亮孔明になぞらえ、様々な戦略を繰り出す!! 攻める相手は、料理。おでん、もつ焼、寿司、蕎麦、とんかつ、餃子、焼肉、弁当などなど、私たち一般人が日常的に食べているメニューがズラリ。だからこそ、面白い!! 様々な店で繰り出される陣形!! 店を訪れる客との真剣勝負!! このこだわり、この緻密さ!! 一度読めば皆、軍師の気持ちになること間違いなし!! これぞまさに、エンターテインメント・グルメ漫画である!!!

グルメ漫画でお馴染みの久住さん、ほぼ最新作。孤独のグルメに比べると食へのストイックさが足りず途中でコスプレをしたりとバラエティー的な部分があり「ふざけるんじゃない…。食はもっと…」と思い違和感があるが、この主人公である本郷のバラエティー感がだんだんと癖になる。これがとにかく面白い。現在2巻まで出ているが、1巻は近場でライバルの力石と戦う地元編、2巻は遠征中心の遠征編。バラエティー要素が強いため「ここはここの店だな」的な感覚は薄いのが残念だが、孤独のグルメとの差別化がここにあり面白い。このダメさ加減が癖になる。


口福三昧(1) (KCデラックス)
ラズウェル 細木
講談社 (2013-06-19)

食材にまつわる素朴な疑問や、へえ〜と驚く“食の実験”などの短編漫画を多数収録。ささっと作れるおつまみレシピも併せて紹介。

ラズウェル細木といえば創作系の食漫画でお馴染みだが、この作品は作者本人が食を語るエッセイ漫画。ふぐ、たい焼き、すき焼き、B級グルメ、おもち、刺身、お酒、お菓子…幅広いジャンルの食に対してうんちくを挟みつつ語っており、作者の実体験も豊富で面白い。私が食漫画が好きなのはその体験を追随できるところに面白さがある。野球選手にはなれなくても、おいしい物なら食べに行ける。その理念を具現化してくれている、そんな面白さがある。


うどん大好き漫画家寺島令子が「打ち立てのうどんが食べたい!」そんな些細なきっかけからうどんを生地から作ることに…!? しかしながら野望はそれだけでは終わらなかった!! 汗と涙と苦労が入りまじった何でも作るモノづくりコミック。

この作品が話題になってるのを見たことないんですけど、めっちゃくちゃ面白いです。うどんを作るからスタートしてどんどん畜産とかエスカレートしていくのが面白い。ここまで農業でもなく、畜産等で「作って、食べる」を突き詰めた漫画はあまりないと思う。「作ってモテよう!!」という分かりやすいコンセプトからスタートして全くモテる様子がないのが読了感が爽やか。「作りたい!」でも「食べたい!」が目的でもなくて、「作って食べたい!」と二つが合わさっての欲求でとにかく楽しそうでおいしそう。そうだよねぇ、ああいうソーセージとか鶏を丸ごと焼くとかやってみたいよねー。そういうのって楽しそう!と思わせてくれる食漫画。



カレー愛好家のカラスヤと担当編集がおいしいカレーを求めて奔走するグルメエッセイ「カラスヤサトシの日本びっくりカレー」の第2弾。カレー研究家でDJのスパイシー丸山との和カレーレシピ対談「もし平安時代にカレーがあったら」も収録。

前作びっくりカレーの続編。前作は「入門編」という感じで、前作も濃かったのが更に濃くなってます。以前にもこの作品の特集で書きましたが、この作品はやっぱりカレー大好きカラスヤサトシと編集熊Gさんの関係性がとにかく面白い。他の作品だとカラスヤ&編集者だとツッコミとか嫌悪感があるんですけど、この作品に関しては二人とも「カレーが好き」という部分で共通していて、閉店するカレー屋に行ったりカレーに関すること満載。相変わらずのカレー好きが伝わってきて清々しいです。特別誰も紹介しないしメジャーにもならないだろうけど、愛おしい作品です。


ステーキを下町で
ステーキを下町で
posted with amazlet at 13.09.17
平松 洋子 谷口 ジロー
文藝春秋
売り上げランキング: 148,696

食をめぐる痛快エッセイ、今回は地方へも足を伸ばし、帯広の豚丼三陸うに弁当、京都のあんかけうどんに沖縄そばまで、一気食い!─

ちょっと番外。漫画ではなく小説の食エッセイ。孤独のグルメ作画でお馴染み作者の漫画が挿絵としてあります。この挿絵がイメージを膨らませてくれて下手な写真なんかより全然イメージを湧かせてくれる。純粋に食が好きで食に対して貪欲に挑んでいて「ああ、うまそうだなぁ。」と自分も行きたくなる作品。高級料理店じゃなくて、餃子の王将に行ったり上野の怪しい料理店に行ったり全国津々浦々予想外の部分が面白い。こういう食エッセイが読みたかった!!


食エッセイは「自分も食べたい!!」と思わせてくれるから面白いんです。食への欲求が薄い人を見ると最近は「え?」という感じになります。1日数回しかない食事に全力を尽くさないでどうする!! と、私は思うわけです。この世においしいものがいっぱいあるんだから人生は楽しい。その人の食スタンスを共有できる食漫画。読んで食べましょう!

黒ロン&アイドルを語るっきゃNIGHT 第二夜"黒ロンアイドル新世代!! ナカG『推しメン最強伝説』を語ろう"

<「管理人代理の姫ちゃんです。今年も黒ロンの日(http://d.hatena.ne.jp/mercury-c/20130905/1376663904)がやってまいりましたです。なんと4年連続で参加させていただいてます。今年も例年通りこの企画だけは代理がお送りします。」

『4コマ漫画の黒髪ヒロイン達〜そんな何人も書けないからとりあえずベスト3〜』
http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20100906#p1
「そう、4コマを読むキッカケは些細なことでいい。そう、例えば黒ロンとか。」初心者のための黒ロン4コマ入門2011
http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20110906#p1
黒ロン&アイドルを語るっきゃNIGHT 第一夜"アイドル漫画の新機軸! ナカGさんの漫画を語ろう"
http://d.hatena.ne.jp/hachinohe/20120906#p1

<「今年も例によってアイドルについて語りたいと思います。4コマについては他に書く人いるからいいんじゃないでしょうか。私は今も昔もこれからも4コマ漫画が好きだと思います。でも、4コマ4コマ言ってると世界が狭くなりますし、別のことについて書きたくなるんです。多分、4コマは一生語るので今は今の頻度でいいのです。なーんちゃって☆」


この黒ロンアイドルが凄い!!
去年はAKB48の田野ちゃんを取り上げました。田野ちゃんは今年も総選挙でランクインしていますが、到底選抜の座は回ってきません。いつまでも次世代は次世代のままで世代交代が出来ておらず、はっきりいってAKB48は飽和状態です。無理やり次世代を全面には出していますが一般層には浸透していません。中堅ベテランが次々に卒業してはいるものの増え続ける正規メンバーは肥大化する一方でシングル選抜及び運営に推されているメンバー以外には席が回ってこない状況が続いています。
そんなAKBで選抜以上に熱いのが研究生です。今年の春を最後に12期メンバー全員が昇格し、13期から15期で構成される研究生で『パジャマドライブ公演』をやっていましたが非常に評判が良く、研究生単独で武道館公演をやるまでに至りました。正規以上に研究生が熱い!という現状で、ついに先日の東京ドーム公演で新チーム"チーム4"が結成されるに至りました。これからAKBの中心になるであろうチーム4が熱い! そのメンバーの中の黒ロンを押さえておけば今後も安泰でしょう。やっと本題ですよ! 「チーム4黒ロンを押さえておけ!!」



13期・茂木忍。通称茂木ちゃん。13期は谷間の世代で推されもせず、同期をセレクションで大量に淘汰された経験をするなど幸薄い期。その分下積みは長く実力は折り紙つき。茂木ちゃんと特徴はMC。仕切ってよし、ふられてよし、いじってよし。母性を発揮して包み込むお母さんのような一面があります。

基本的には黒ロン特有の綺麗なお姉さんなわけですが、その一方で女の子の太ももが大好きという一面があります。女の子の太ももに顔をうずめるのが大好きという変態性がギャップありで可愛い。ただ、下ネタ大好きなのに自分自身をネタにされるのは嫌いというウブな部分がこれまた可愛い。黙っていれば清純派な黒ロン美少女なんですけどね。奥ゆかしい黒ロン美少女、その内面に潜む変態性。そのギャップが魅力的! ふっふー!! 黒ロン好きなら押さえてて損なしでしょう。



14期・岡田奈々。通称なぁちゃん。14期は三銃士と呼ばれる3人のエースがおり、そのエースの中の一人が岡田ちゃんです。キリッとした表情とパワフルなパフォーマンスが特徴。落ち着いた黒ロンクールビューティーでありながら、ギャグが好きで全力で一発ギャグをやるなどただのクールビューティーでは終わらない面白さがあります。

勿論、彼女の特徴はその面白みの部分と誰もが評価する黒ロンクールビューティーなパフォーマンス部分。カッコいい系の曲をやらせれば右に出るものはいません。彼女の面白みは可愛い曲でもキメキメでやる部分でもありますが。そのギャップが楽しい。黒ロン美人、こんなに安心できる要素は他にありません。間違いなく、彼女は将来のAKBの中心になってくる子でしょう。ライバルであり同期でもあるこじまこちゃんも黒ロンなので合わせてチェックしておくべきでしょう。

間違いなく、若手をメインに絞って楽しむAKBは面白いです。
「アイドルは推しを作るまでが面白い!」その過程をあなたも味わってみてはいかがですか?


ナカGの推しメン最強伝説を語ろう

ももクロBerryz、アプガ、エビ中……
話題のアイドルマンガ家・ナカG、待望のファースト作品集!
太田出版『ぽこぽこ』で発表された表題作に加えて、『CDジャーナル』『MANIMANI』『週刊プレイボーイ』、同人誌、さらには完全未発表となる貴重なアイドルマンガを一挙収録!!
ももいろクローバーZBerryz工房アップアップガールズ(仮)私立恵比寿中学モーニング娘。℃-uteスマイレージNegicco真野恵里菜RYUTist

去年もご紹介しましたが、ついに単行本となったナカGさんの作品。ナカGさんの作品は実在のアイドルをモデルに創作を織り込むという作風です。宇宙人、超能力、怪力…と誇張した創作満点なのにそのアイドルのイメージを壊すことなくリアルに作られています。それはアイドルのリサーチが半端ないから誇張してデフォルメ化してもイメージを壊すことがないのです。どんなアイドルライターよりも評論家よりもリサーチしてあります。そんな愛をこめて描かた漫画が面白くないわけがない。
私はモーニング娘。の頃からアイドルが好きですが、中学生の頃に応援していた時期よりも今のほうが楽しいです。当時はただ眺めているだけでしたが、今は一緒に過程を歩んでいる気持ちになれるからです。と、いうのもアイドルはストーリー漫画なんです。路上から国民的アイドルになったももクロちゃん、観客6人から国民的アイドルになったAKB48等々、成長していく過程を一緒に歩むは楽しい。漫画でいえば第1話からアニメ化まで追いかけるファンの気持ちです。アイドルはどんなドラマよりもドラマチック。
ナカGさんの愛のこもった作風はアイドルの今をとらえている。アイドルの「今しかない青春」という一瞬の光を表現していると思います。どちらかといえば地下方向のマイナーアイドルをメインにしているため元ネタが分からない方も多くいると思います。ですが、元ネタが分からない人はそのアイドルのことが気になるでしょうし、知っている方はよりそのアイドルが好きになると思います。大きな愛でもてなして
漫画ブログではスルー、アイドル関係でも特別取り上げられることもないですが、この作品とにかく面白いです。私の年間ベストに入ります。アイドルを好きな人から知らない人まで。すべてのかたにおすすめします。そして、書かれてるアイドルを好きになってください。

今回の単行本でもどのアイドルの話も面白いですが、黒ロンというテーマに照らし合わせてのおすすめアイドルは私立恵比寿中学のぁぃぁぃでしょう。別に漫画では主役ではありませんが、マスコットとして可愛すぎる。声にも特徴があり、可愛らしいロリ声のアニメ声が歌声になると尖った声になる。アイドルに天才なんて言葉を使いたくないですが、この子は間違いなく表現から存在まで天才だと思います。黒ロンといえば神秘性があり天賦の才能を纏っているような天才的なオーラを潜在的に感じますが、この子も間違いなくそうだと思います。

まぁ、とりあえずこの動画を見ましょう!

ぁぃぁぃは素敵ですね!


やっぱりアイドルの中でも黒ロンアイドルは神秘性があって特別ですよね。それはいつまでもこれからも変わらないと思います。じぇじぇじぇj!! それでは、今年も、また来年も素敵な黒ロンアイドルに出会えると思います。No 黒ロン No Life!! また来年お会いしましょう!!


<「まさか本当に第二夜をやるなんて思ってもみなかったです。しかも去年よりマニアックになった感あるです。来年もありやがりそうですね…。去年も「いつもより熱心。」とか言われてやがりましたし。本当にクズ人間です。今年も趣味丸出しで気持ち悪いですね! ひかれるです! でも、これが生きざまです! また来年です!!」

「とりあえず、これを読め。あ、いや、読んでみてください。」4コマオブザイヤー主催が独断と偏見で選ぶ名作4コマ10選

うっす、八戸です。
今回は突然ですが、特別企画「私が選ぶ名作4コマ10選」をやりたいと思います。


1.GA -芸術科アートデザインクラス- / きゆづきさとこ

とある学校の芸術科クラスに通う5人の女の子。彼女たちがデッサンしたり、粘土をこねたり、マウスを動かしたりするのを見ているだけで、なんだかこっちもアートしている気分に!?

きゆづきさとこさんの素晴らしいところは「絵本のような幻想的な世界を成立させつつ、落とす部分は落としてギャグ4コマを成立させている。」という部分にあると思います。最近はファンタジー要素のある4コマ作品は多いですが、その「ファンタジーとオチ」の両方を成立させている作家は殆どいません。GAはその部分がしっかりしているので読んでいて非常に満足度が高い。日常に絵画の世界を入れたり、合間合間にくだらない話を入れたり、その中でいい話をいれたり。このバランスがきゆづき作品は素晴らしい。今更ですけど、女の子が可愛いです。


2.ひだまりスケッチ / 蒼樹うめ

憧れのやまぶき高校美術科に入学したゆの。親元を離れ、学校近くのひだまり荘で友人達と楽しい日々を送りながら、今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。女の子達の日常をやさしくカラフルに描き出す。

今更感あるかもしれませんけど。萌え4コマの草分け的存在として、過去の作品の傾向とも違う「蒼樹うめワールド」を構築したって凄いことだと思います。なかなか、これだけ丁寧に書かれている作品もありません。アニメ化までされた作品でありながらブレることなく影響されることなく「ひだまりスケッチ」を書き続けていること、この作品が愛される理由は多すぎる。


3.わさんぼん / 佐藤両々

製菓学校を卒業した草太は老舗の和菓子店で住み込みの修業を始めることに…。そこの看板娘にフォーリンラブしちゃったから、さぁ大変!

「これほどドラマ向きの作品もない」と私が思ってるぐらい、大人向けの作品。「和菓子職人」というテーマをリサーチし真剣に向き合った作品になっている。主人公がバカでありつつも真剣に和菓子と向き合い成長していく様子は他の4コマにはない「ストーリー4コマ」としての面白さがある。佐藤両々のリアルでありつつもほのぼのとしたタッチが説得力を増させている。主人公とヒロインがくっつく、というだけの予定調和では終わらないストーリー展開も面白い。このまま「いい作品だった!」で終わるには勿体ない作品。


4.みそララ / 宮原るり

成長すればするほど新たにぶつかるカベ。まだまだ新米ライター麦田美苑はどうやって乗りこえる!?読めば明日の仕事が待ち遠しくなる☆

恋愛ラボ』とはまた違った「宮原るりワールド」がつまった作品。リアルな社会人生活をモデルにしつつも、宮原るり特有の軽いキャラクターがポップな世界観を演出している。悩みつつぶつかりつつも成長していく麦の姿は微笑ましい。ちょっとした恋愛ラボとのつながりも楽しい作品。いやぁ、幼女スズたんは宝だね!! 眼鏡眼鏡! すでに巻数が出ており入りづらい印象もあるが、こんなに可愛い社会人漫画なかなかないですよ。はーっ!!


5.かいしゃいんのメロディー / 大橋ツヨシ

かいしゃいんのメロディー 1 (竹書房漫画文庫 OT 1)
大橋 ツヨシ
竹書房
売り上げランキング: 574,146

まじめにまじめに生きるサラリーマン「うずら谷(うずらたに)」。そのまじめさは決して、仕事に生かされることはないと言う…。

大橋ツヨシ作品はもっと読まれていいと思ってる代表的な4コマ作家。シュールな部分を持ち合わせつつもシンプルで普遍的なお笑い4コマを忠実に書き続ける姿は他の追随を許さないものがある。エレキングと併せていかが。


6.スターマイン / ストロマ

どこにでもいる普通の高校生男子・陸田行成。夜空に光る流星群に「彼女が欲しい!超欲しい!!」と願いをかけるとたちまち恋人候補の女の子がやってきた!やったー!……が、その数なんと9人!(+お目付け役の女性が一人)恋も愛も友情もネタもオチも全部ひっくるめた行成と彼女たちとの星春が今、始まる。

ギャグ4コマ兼ラブコメ4コマ。ラブコメ4コマというとラブコメ展開ばかりで退屈になりがちだが、多くのヒロインを各々魅力的に描いており、ヒロインとヒロインが各々絡むためまた別の一面が見れて面白い。ラブだけでなくコメにも重きが置かれており、コメディ4コマとしても優秀。王道、不思議、ツンツン…、数多くの属性からお気に入りが見つかればより楽しめることうけあい。私は子供の潮ちゃんが好きです。わーーい!!


7.らいか・デイズ / むんこ

児童会長のらいかちゃんは人望あつく、成績優秀、将来有望。でも、恋愛方面はちょっと苦手…。楽しい発見や優しさにあふれた毎日はどこか胸が痛くなるほど懐かしい。らいかワールドにはあなたの居場所もきっとある。

むんこ作品から一作品を選ぶなら?と考えたら、この作品になりました。ストーリー性なら「だって愛してる」「がんばれ!メメ子ちゃん」なんかを選ぶべきだと思います。でも、普通のことを普遍的に日常として描く、大きなドラマもストーリーもないけど、らいかの成長と日常を描いたこの作品は間違いなく名作だと思うんです。らいかを主人公にしつつ、群像劇になっているのも読んでて味わい深い。仮にも漫画が好きなのにむんこ作品を読んでない人は損をしてますよ、多分ね。らいかが成長しつつも変わらない部分が確かに存在してて素敵です。


8.うちの大家族 / 重野なおき

千葉に住む内野家は、今時珍しい父親と3男5女の大家族。長女の愛子が亡き母親に代わり、家事に育児に大活躍!! 笑いの中にも温かさが溢れる、にぎやかな家庭を是非お楽しみください!!

「大家族」という誰も扱っていなかったジャンルを切り開いた4コマ界のパイオニア重野なおきの長期連載作品。単行本も数を重ねているにも関わらず作品としての鮮度が全く落ちてない。キャラクターも大家族をメインとしているため多いが、散漫な印象はなく丁寧に掘り下げられている。それぞれの巻のラストでは表紙になるキャラクターをメインとしたエピソードが描かれており単行本の構成も憎い。特に2巻の長男・音也のエピソードが良く、最後に大家族を歌った歌詞が書き下ろされているのが素敵だ。『信長の忍び』が注目されがちだが、奇をえつらわず等身大の日常を描いた重野なおきは強い。


9.ふおんコネクト / ざら

補習常習トラブルメーカー、完璧超人の次姉、オール平均値なシスコン末妹、童顔教師兼ズボラ長姉……バラバラに見えるけどみんな、繋がってる? 最高に刺激的でアクロバティックなざらワールド!

超密度4コマ。私はこの作品が大好きなんですよね。この作品は裏に隠された「元ネタ」「ヲタク的要素」ばかり注目されるんですけど、それ以上にキャラクターの個性が素晴らしい。チートの小動物ふおん、完璧欠陥超人交流、平均凡人通果、幼女廃人夕ちゃん、その個性的な面々とマニアックな要素が奇跡的な化学反応を起こして「ふおんコネクト」が構成されています。この作品のバランスは作ろうとして作れるものとは思えず、今だに私にとって唯一無二の作品になっています。表には出てこないが、ストーリーのSF要素が個人的に面白い。


10.氷室の天地 Fate/school life / 磨伸映一郎

大人気パソコンゲームFate』のスピンオフ作品! 通称・三人娘の織りなすゆかいな日々!

Fateスピンオフ作品でありながら、無関係に暴走を重ねている作品。Fate要素もあるもののそれよりも学園ギャグ4コマとして楽しむのがベストに思える。「Fate要素もあるからFateに興味がある人も楽しめる。」「Fateは薄いから、知らなくても学園ギャグ4コマとして楽しめる。」そんな作品になっています。この作品の特徴は磨伸節ともいえる元ネタたっぷりな暴走的ギャグ。全部が全部元ネタなんか正直分からないけど面白い。と、いうのも氷室、マキジ、三枝の三人娘のキャラクターが個性的だから面白いんですよね。絵柄がキュートでポップだから、これも萌え4コマの一つの形なんです。



今回、こういう特集を書こうと思ったのは今までさんざん4コマを語ってきた中で「やっぱり、みんな4コマ読んでない。」と思ったからです。勿論4コマ読みは増えたと思いますが。増えていても、やっぱり読んでない。読まれてるのはアニメ化した作品だけだと思うんですよね、あと一部のきらら作品。だからちょっと声を大にして言いたいなって。
いくらでも書けますが、今回はあえて10作品に絞ってみました。萌え4コマにも、ファミリー4コマ両方の分野から平均的に。「これはない」と思う作品もあるでしょうし、完全に私の趣味が反映されている結果です。『聖☆高校生』とか『ここだけのふたり!』とか『トリコロ』とか『特ダネ三面キャプターズ』とか、いくらでもあるんですよ、入れたいのは。また別の機会には別の縛りでできればと思います。


つーわけで、あなたも選んでみては? これらの作品、読んで損はさせませんよ。合う合わないはあるかもしれないけどねー。
それじゃあ、また次回。